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省エネ住宅を選ぶときに、高気密高断熱住宅を避けては通れません。

しかし、断熱については多くのハウスメーカーが公表していますが、気密性能にかんしては、数値を公表しているところが少なく感じます。

  • 気密性能って高いほうが良いの?
  • 国の基準から削除されたから必要ないんじゃないの?
  • どこで建てても遜色ないんでしょ?

いや、気密なくしては省エネ住宅・快適住宅は語れないんです。

ランキングを見ながら、気密性の重要性について見ていきましょう。

 

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ハウスメーカーの気密性能ランキング

各ハウスメーカー公式ホームページにある気密性能情報をランキングしています。

2018年11月現在の情報となります。

ハウスメーカー(タイプ) C値(気密性能)
1 FPの家 0.44
2 アエラホーム(クラージュ) 0.47‐0.50
3 一条工務店(i-シリーズⅡ) 0.59
4 一条工務店(夢の家Ⅳ) 0.61
5 アイフルホーム(セシボ極) 0.61
6 スウェーデンハウス 0.73
7 ユニバーサルホーム(発砲ウレタン) 0.74
8 セキスイハイム(グランツーユー) 0.99
9 土屋ホーム 1.0以下
10 ヤマダホーム(多重断熱・気密施工) 1.0
マンション平均 1.0
11 三井ホーム(プレミアムモノコック) 1.0‐1.5
12 セキスイハイム(鉄骨系) 2.0
12 東急ホーム(ミルクリーク) 2.0
14 積水ハウス
14 ダイワハウス
14 へーベルハウス
14 住友林業
14 パナソニックホームズ
14 トヨタホーム
14 ミサワホーム
14 住友不動産
14 タマホーム

※戸建てと違うマンションは、気密性の高い住居として有名です。その数値は、約1.0と言われています。

自社の気密性の基準を公表していないハウスメーカーは、建築地域にあった気密性能を確保するという内容が公式ホームページ上には多く見られます。

地域による気密性能とは、1999年に制定した

  • 寒冷地の気密性=2.0以下
  • その他地域の気密性=5.0以下

のことを言います。

下記で、気密性についての基本や詳細を紹介しています。

気密性能の基本(見方)

気密性能は、1999年の次世代省エネルギー基準で初めて導入された基準ですが、2013年に改正された省エネルギー基準で気密性能の基準が削除されました。

削除された理由を国はこう説明しています。

一定程度の気密性が確保される状況にあること、また住宅性能表示制度における特別評価方法認定の蓄積により、多様な方法による気密性の確保が可能であることが明らかになってきたことなどから気密住宅に関わる定量的基準(相当隙間面積の基準)は除外されました。

じょし

この書き方を見ると、気密性は、住宅に必要ないってことではないんだよね。

あお

そうだね、いい方向でみると、周知徹底ができたから、基準は明確にしないよ。ってことだから、必要なものには変わりないんだよね。

じょし

義務でもないし、基準くらい残しておいてもいいと思うんだけどね。なんかモヤモヤするな。

気密性能の基準値

住宅の性能で、「高気密高断熱」という言葉をよく聞くと思います。

その、気密の部分を【C値】断熱の部分を【Q値】と言い、指標となります。

 

1999年の次世代省エネルギー基準に導入された、気密性の基準値は地域によって大きく2つに分かれます。

今現在も、ハウスメーカーや工務店などが気密性を話すときは、C値を指標にしています。

 

C値は、住まいにどのくらいの隙間があるかを表した数値になります。

床面積1㎡あたり、どのくらいの隙間が存在するのかを計測機で計測します。

このC値は、小さい値になればなるほど隙間が小さいことになり、高気密と言えます。

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断熱気密基準 基準単位 地域区分
改正省エネ基準 UA値 0.46 0.46 0.56 0.75 0.87 0.87 0.87
次世代省エネ基準 Q値 1.6 1.6 1.9 2.4 2.7 2.7 2.7
1999年制定気密基準 C値 2.0 2.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0

我が家(i-smart)の気密測定結果レシート

我が家の気密測定結果は、C値=0.5(3回)という測定がされました。

このC値=0.5という数値は、家の大きさ約30坪に対して、官製はがき1/3程度の隙間がある、もしくは、隙間しか無いということになります。

温暖地域に建築している我が家は、国の決めた基準値=5.0からすると、1/10という好成績だということが分かります。

 

気密性能が必要な理由

冷暖房費を抑えるとか、快適性を高めるなどに「気密性」は必要不可欠な存在です。

断熱性能を存分に発揮できない

冬場、温かい毛布にくるまってぬくぬくと気持ちのいい「うたた寝」をしたことはありませんか?

その時に、足元や腰などが毛布から飛び出していると、「スース―」するのを感じたことがあると思います。

これは、毛布がかかっていないことにより、冷気を感じるわけです。

 

住宅も、高断熱仕様にして、断熱材をふんだんに取り入れたにもかかわらず、隙間があると、家の中に居ても、毛布と同じような「スース―」する現象に見舞われます。

しかも、寒いだけではなく、冷暖房費という「お金」もそこから逃げていきます。

計画換気が正常に実行されない

じょし

ジュースを飲むときに、ストローが割れていると、吸った分だけ入ってきてくれないのは、隙間ができてしまっているからだよね。

高性能な換気システムが多くなってきていますが、その換気システムが規定通りに動いてくれるか?は気密性能にかかっています。

換気システムは、新鮮な空気を取り込み、汚れた室内の空気を外へ排出してくれる役割を担っています。

24時間換気が義務化された背景には、化学物質となるホルムアルデヒドが室内にと止まらない様にすることから始まりました。

いま現在、ホルムアルデヒドが出るような低品質の建材はあまり発売されていませんが、気密性が低いと計画的に換気ができず、室内に汚れた空気をとどまらせてしまいます。

最近の換気システムは、熱交換も行ってくれ、高性能なものだと、熱交換効率90%というものまであります。

これも、換気システムの性能は90%であっても、それを設置する住宅が低性能であれば、その機能が十分に発揮されることが無いことは分かるでしょう。

あお

換気システムが規定通りに運転するには、気密性が1.0を切る住宅を目指すのが良いんだ。

気密性能は計算できない

高気密高断熱とカタログに謳っていても、高気密になっているか?は分かりません。

どういうことか?

高断熱は、お金をかければいくらでもできますが、高気密はお金では中々解決が難しい類のものになるからです。

気密性能が計算できない理由

あお

断熱材は、性能が高いもの選べばそれだけ上がるし、窓も性能高いの選べるもんね。

断熱性能は、使用する断熱材の熱伝導率や、施工する厚みを決めることで、断熱性能が計算できます

もちろん、現場で施工する場合に、職人の腕によりムラが出たり、配線の関係で断熱材を削るためにおこる断熱欠損が起きるのを100%避けることはできません。

しかし、それが無いとした計算は、できるものであるのは変わりありません。

 

気密性能はどうでしょう。

設計段階で、どこにどのくらいの隙間ができるのか?を計算することはできません。

現場で施工をして、気密測定を実施して、初めて測定値が出るのです。

あお

設計士がさ、リビングと玄関には、隙間作っときましょうかね。

なんて設計したらどうするよ。

じょし

たしかに、設計段階で隙間が分かるなら、「おいおいっ!そんなところに隙間つくるなよっ」てなるよな。

気密性能を確保できる住宅工法は?

気密性能を高めるには、選択するハウスメーカーが第1の分かれ道になります。

気密性能を確保する条件

  • 工法
  • 施工精度
気密性を上げやすい工法
  • パネル工法
  • ツーバイフォー工法(ツーバイシックス工法)

これらは、施工する時点で隙間に対する処置が施しやすい工法になります。

最初に紹介した、ランキングで見ても、住み分けができているのが分かります。

ランキング11位までは、木造もしくは、木質パネルを採用したハウスメーカーです。

 

高気密に限らず、高断熱でも同じことが言えます。

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まとめ

今回は、気密性能についてハウスメーカーのランキングをもとにお話してきました。

国の省エネ基準から、気密性の基準が削除されていますが、とても重要な基準であることには変わりありません。

そして、気密性の高い住宅をもとめるなら、ハウスメーカー選びとなる最初が肝心なことが分かりました。

 

鉄骨系の住宅を選択すると、構造上どうしても気密性能を高めることが難しく、断熱性能も比例して低くならざるを得ません。

豚に真珠とまではいきませんが、高性能な換気システムをいれても、十分に機能が発揮されない危険性があるかもしれません。

契約後に、気密性能を高めてほしいといっても、難しいということです。

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