一生に一度の住宅購入するときに、気になるのが住宅「保証」の2文字。

大金をはたいて購入するわけだから、保証が充実していたほうがお得なことは間違いありません。

しかし、微妙な言い回しの営業トークや、保証年数に惑わされてしまうこともしばしば。

いっそのこと、保証はなくとも一切壊れない住宅はないものかと思ってしまいます。

 

今回は、契約するまでは気にしていても、住んでから何か不具合が起きるまで、その存在を忘れてしまう「保証」について一条工務店とその他の大手ハウスメーカーを見比べて見ました。

 

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一条工務店の保証「長期」と「短期」

一条工務店の保証は「長期保証」と「短期保証」の2つに分かれます。

これは、他のメーカーも大体同じような内容になります。

長期保証30年(保証対象部位)

  • 基礎・基礎杭
  • 床根太材、天井根太材、壁枠組材
  • 屋根
じょし

30年保証が続くって、安心できるよね。

あお

30年保証って言うと、30年間何もしなくても保証が受けられると勘違いしちゃいそうだけど、実は違うんだ。

上記の、30年保証に絡む部分は、引き渡しを受けてから10年目および、20年目に行う定期点検において、一条工務店が必要と認めた有料メンテナンス工事を、一条工務店指定業者(もしくは、一条工務店)の施工によって実施した場合に限ります。

10年目20年目の定期点検は無料で受けることができるけど、その際に有料メンテナンス工事が必要と判断した場合は、それを受けないと保証の延長ができない、つまり保証がなくなるということです。

引用:一条工務店公式ホームページ

 

長期保証10年(保証対象部位)

  • 防水
  • 防虫(シロアリ等)
あお

これら長期保証に絡むところは、後で説明する「瑕疵担保責任」の範囲と被るんだ。

短期保証2年(保証対象部位)

  • 土工事部
  • コンクリート部
  • 木工事部
  • ボード、クロス
  • 左官、タイル
  • 建具、ガラス
  • 屋根
  • 樋(とい)
  • 水切、雨押え
  • 防水
  • 断熱、防露
  • 電気配線・配管
  • 給水
  • 排水
  • 汚水処理層
  • 換気口
じょし

2年の保証なんて、住み始めたらアッという間にすぎちゃうよね。

短期保証1年6ヶ月(保証対象部位)

  • 塗装

短期保証1年(保証対象部位)

  • スイッチ、コンセント
  • 蛇口、水栓、トラップ、厨房、衛生器具、換気設備
  • ガス配管
  • ガス栓
あお

一条工務店は、点検しますよーって、アナウンスが無いから、このあたりの保証は、知らない間に過ぎ去っているんだよね。

一条工務店の点検スケジュール

引用:一条工務店公式ホームページ

一条工務店の点検スケジュールは、公式ホームページにもあるように、

「型どおりの定期点検にとらわれず、お客様からのご連絡に対して迅速に対応できる体制づくりを優先しています。」

とあり、引き渡し以降10年目までは、点検という点検がありません

 

あるのは、2か月目と2年目の「営業マンによる訪問」です。

この訪問も、点検と言えるようなものはなく、御用聞きというスタンスです。

 

というのも、営業マンはメンテナンスの研修を受けるようなこともありませんので、自主的に学ぶようなことをしない限り有効な点検もできない状態です。

 

しかし、他のメーカーでも型どおりの点検スケジュールを受け、素人には必要かどうかも分からないまま、有償工事を受けてしまう方もいるでしょう。(保証継続させるためという大義名分があるから)

そういった見方をすれば、一条工務店のようなスタンスもありなのかもしれません。

 

実際に、各ハウスメーカーのメンテナンススケジュール等を見ていくと、有償で工事をしなければならない箇所は、明確に浮かび上がってきています。

よくある有償メンテナンス工事ポイント

  • 防水関係個所
  • 防虫関係個所

この2つが一般的です。

 

防水関係は、屋根、屋上、バルコニー関係、外壁ではシーリング工事など、どうしても素材の関係から経年劣化を避けることが難しい消耗品の部類です。

 

また、防虫関係は薬剤の効果期間から5年~10年というのが一般的です。

それ以降になると、効果が薄れ害虫被害にあってしまうからです。

 

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シロアリ保証については、一条工務店の腐りシロアリ保証期間は10年間!被害を抑える独自対策で詳しく紹介しています。

国は品確法で住宅瑕疵担保責任を10年間義務付けており、それを履行するための法律の整備もしています。詳しくは住宅購入者が10年間守られる保証制度【住宅瑕疵担保責任履行法】とは?を分かりやすく紹介で解説しています。契約時に説明責任があることなので、事前に読んでおくと、理解がしやすくなると思います。

あお

決まり切った点検だけにくるなら、一条工務店のようなスタンスもありなのかもね。

じょし

でも、ちょっと聞きたいことがあっても、中々聞けないから、点検時に聞こうって人もいるよね。

品確法で定める住宅瑕疵担保責任とは

品確法とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の略式で、ようは質の高い住宅を確保するためにできたものです。

住宅瑕疵担保責任とは、ハウスメーカーなどの住宅提供側が、隠れた瑕疵にたいして、10年間は保証をしなさいと義務付けたものです。

瑕疵担保責任により、ハウスメーカーがどのように保証を付けたとしても、10年間は守られることになります。

あお

難しい感じが出てきているけど、瑕疵(かし)とは、

見えない欠陥や不具合のことを言うんだ。

じょし

瑕疵については、民法上1年という決まりがあったけど、強制的に10年にしたんだよね。

※参考:国土交通省ホームページ:品確法について

各ハウスメーカー保証比較!内容に違いは?

ここからは、大手ハウスメーカーの保証内容を、2018年11月現在の公式ホームページから紹介していきます。

  • 積水ハウス
  • ダイワハウス
  • セキスイハイム
  • へーベルハウス
  • 住友林業
  • 三井ホーム
  • パナソニックホームズ
  • トヨタホーム
  • ミサワホーム

これから建築をするという方には有益な情報ですが、すでに建設をしている場合は、保証書に書かれている内容を参照することをおすすめします。

積水ハウスの保証

 

積水ハウスの初期保証は30年。

2018年4月1日以降契約分が対象として、「30年保証制度とユートラスシステム」を開始しました。

ユートラスシステムは、有料点検・有償補修工事を行うことで、その後の10年を保証するシステム。

他との違いは、30年間は品確法を含め無料点検を行っているところ。また、ユートラスシステムでは、途中保証が切れても必要な有料点検・工事を行うと再保証が受けられるユニークなシステムになっています。

この保証は他にはない、仕組みです。

積水ハウス公式ホームページ

ダイワハウスの保証

xevo Σ PREMIUM・PREMIUM GranWoodの長期保証・点検プログラム

引用:ダイワハウス公式ホームページ

ダイワハウスその他の住宅商品の長期保証・点検プログラム

引用:ダイワハウス公式ホームページ

 

ダイワハウスは、30年と20年。商品によって保証内容を変更しています。

主力商品である、xevo Σ(ジーヴォ シグマ)やグランウッドは初期保証30年を設定していますが、その他の商品は、短く設定しています。

ダイワハウスが定める初期保証の期間内に、点検を実施し、結果をもとに、メンテナンスを必要とする箇所を提案して、有料メンテナンスをすることで、保証延長となります。初期保証期間終了後は、有料点検(5万円)を実施し有料メンテナンス工事を実施した際に、保証延長となります。

ダイワハウス公式ホームページ

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セキスイハイムの保証

引用:セキスイハイム公式ホームページ

 

セキスイハイムの初期保証は20年間。

その間に瑕疵が発見されれば、品確法の10年を超えても20年間は無償対応しています。通常無料点検、有償メンテナンス工事が多い中、この対応は強みになるでしょう。

60年間長期サポートでは、点検無料となるところも、他社との差別化を図っているのでしょう。

セキスイハイム公式ホームページ

へーベルハウスの保証

引用:へーベルハウス公式ホームページ

 

へーベルハウスの初期保証は30年。

他メーカーと違いを出してきているのが、60年というキーワード。2017年10月以前は、メンテナンスフリーという言葉を多用していましたが、クレームが入ったためか、このキーワードホームページ上になくなりました。

実際に、30年目に大きなメンテナンス費用400万円がかかるとのことですが、それを超えると60年間大丈夫か?というとそうでもなさそうです。

その後の点検は10年ごとに有料化され、さらに有償工事を行うことで10年ごとに保証が延長されます。

初期保証中の、有償工事も避けられないことから、かなりのメンテナンス費用が掛かることが予想されます。

へーベルハウス公式ホームページ

住友林業の保証

引用:住友林業公式ホームページ

 

住友林業の初期保証は30年。

ただし、長期優良住宅の認定をとることが大前提となっている様子です。

また、屋根、外壁、防水他(外廻り)に高耐久素材(30年以上の高耐候仕様部材)を使用することが条件にもなっています。

これらの条件をクリアする、建築主がどれだけいるのか?が分かりませんが、それ以外の仕様の場合は、初期保証20年になるのかと思います。

住友林業公式ホームページ

三井ホームの保証

引用:三井ホーム公式ホームページ

 

三井ホームの初期保証は30年間。

10年目、20年目、30年目の無料点検、有償メンテナンス工事を行うことで、保証が10年づつ延長される従来からあるシステムです。

三井ホーム公式ホームページ

パナソニックホームズの保証

引用:パナソニックホームズ公式ホームページ

 

パナソニックホームズの初期保証は20年間。

しかし、雨水の侵入を防止する部分の初期保証は15年となり、有料メンテナンス工事をすることで、5年間の延長保証を受けることができます。

その後は、10年後ごとに有料メンテンス工事をして保証延長を繰り返します。

パナソニックホームズ公式ホームページ

トヨタホームの保証

引用:トヨタホーム公式ホームページ

 

トヨタホームの初期保証は30年間。

30年間は、無料点検を実施しますが、有料メンテナンス工事が必要と判断した場合は、実施後に保証延長となるのは他メーカーと同じです。

また、家があり続ける限り点検を実施できる60年間メンテナンスシステムを取り入れています。

30年目以降は、10年の節目には有料点検ですが、間の5年目は無料点検となります。

※シンセシリーズ、エスパシオシリーズの、アトリスプランを選択された場合の例です。

トヨタホーム公式ホームページ

ミサワホームの保証

引用:ミサワホーム公式ホームページ

 

ミサワホームの初期保証は30年間。

ミサワホームは、公式ホームページに保証の細かい内容が記載されていて、とても良心的な感じを受けます。

書かれている内容は、他と差があるわけではありませんが、保証対象外となる内容まで記載されております。

一部内容を引用します。

専用住宅、長屋・共同住宅、併用住宅(非住宅部分1/2以下)の場合、保証期間の満了日の翌日を初日として起算し、それぞれ構造体10年毎、白蟻10年毎、防水15年毎(2回目以降は、10年毎)に保証を延長することができます。その場合、保証書の保証期間延長履歴にその期間が明示されます。保証延長をうけるためには以下の要件を満たすことが条件となります。延長保証期間満了時に再延長する場合も同様です。

①「新築住宅保証制度」に基づく点検を欠かすことなく受けていること。「新築住宅保証制度」に基づく点検とは、6ヵ月目、11ヵ月目、23ヵ月目、5年目、10年目、15年目、20年目にミサワホーム(ディーラー)またはミサワホーム(ディーラー)が指定する者が行う建物の点検(無償)のことです。

②「維持管理保証制度」に基づくミサワホーム(ディーラー)またはミサワホーム(ディーラー)が指定するものが行う、住宅の耐久性に関する有償診断(耐久診断)を欠かすことなく受けていること。耐久診断(有償)は、15年目および30年目以降10年毎。構造体、白蟻、防水保証は満了時毎に行う必要があります。

③上記①②の各点検・耐久診断の結果、メンテナンスが必要と判断されたときは、その部分の耐久性維持のために有償工事(耐久工事)を受けていること。※ミサワホーム公式ホームページより引用

 

まとめ

一条工務店の保証制度から、各ハウスメーカーの保証を比較してきました。

それぞれ、言い方見せ方は違いますが、言っていることは余り違いがありません。

20年、30年、60年と長期保証を掲げていますが、有料メンテナンス工事を行わない限り保証の延長はないということはどこも同じです。

当たり前と言えば、当たり前ですよね。

あお

30年間何もしないで、保証してくれる会社はない!

そういうことだね。

営業マンの言い方や、パンフレットの見せ方に違いがあるので、しっかりと内容を把握する必要があります。

じょし

点検に関しては、違いがあるのが分かるね。

違いがあるとすれば、無料点検、有料点検に関する期間や頻度。

一番少ないのは、一条工務店。メンテナンスに関する考え方が全く違います。

 

購入時点で、メンテナンスがほぼ必要ないところまで作り込んでいるのか?

有料メンテナンスありきの保証を選ぶのか?

一条も、シーリング打ち替えなどはありますが・・・

 

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点検に来てほしいという方は、一条工務店は向かないかもしれません。

 

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