当ブログでも、2020年に省エネルギー基準義務化が実施されるとの話をしてきましたが、12月6日(木)の住宅産業新聞の1面に「省エネ基準適合義務化 小規模住宅は対象外に」という見出しが出ました。

まだ、確実に決定したわけではありませんが、ほぼ延期されることになるのかと思います。

 

ただし、省エネ基準適合義務化が延期するからといって、省エネ性が意味がないということではないので、間違えない様にしましょう。

 

参考記事

2020年省エネルギー基準義務化「延期」は小規模住宅に限定

今回、省エネルギー基準義務化の延期の方針を示した対象は「小規模(300平方メートル未満)住宅・建築物」となります。

これは、住宅および建築物全体の省エネ義務化について議論している社会資本整備審議会建築分科会および建築環境部会が12月3日に議論された内容です。

大決定は来年でしょう。

じょし

こういった文言って、なんかわざと?難しく書くから、分からないよね。小規模住宅や建築物って、具体的にどういうこと?

あお

簡単にいうと、僕たちみたいな一般市民が家を購入するという場合の「注文住宅・分譲住宅・建売住宅など」が当てはまるとおもうよ。

国土交通省は、2020年までに新築住宅・建築物の段階的な省エネルギー基準適合義務化が求められている中、基本的には小規模(300平方メートル未満)住宅・建築物は適合義務化の対象に含めない方針を示した。

ただし、適合率引き上げを図るため、基準および手続きの合理化や簡素化は行う。

一方、建築士には建築主に省エネ基準に適合するのかの説明義務を果たさせる制度を創設する。情報提供により、住まい手となる住宅の建築主に省エネへの理解を促す。

さらに、注文戸建て住宅を多く請け負う住宅事業者は、住宅トップランナー制度と同様の仕組みを設け、基準適合の努力義務対象にする。

※住宅産業新聞原文 第1926号より(2018.12.6)

省エネ基準適合義務化が延期になる理由

まだ正式決定ではありませんが、延期になる理由として

  • 基準適合の対応が難しい事業者が相当数いること
  • 審査の遅れが懸念されること

を踏まえたものとしています。

じょし

基準適合の対応が難しいって?

あお

省エネルギー基準は、今までも存在してきたけど、2020年までの途中である現在、その基準を満たしていない事業者(工務店やハウスメーカー)、満たせないであろう事業者が多かったんだろうね。

これまでも、省エネルギー基準はありましたが、義務化まではされていませんでした。

  • 昭和55年(1980年)省エネ基準制定
  • 平成4年(1992年)省エネ基準
  • 平成11年(1998年)省エネ基準
  • 平成25年(2013年)省エネ基準

世界の住宅先進国からすると、今回の義務化されようとしていた、省エネルギー基準はだいぶ低いものになっているのですが、今まで締め付けが無かったところから、低いとは言え義務化となると支障をきたす事業者が多くなるのも事実です。

断熱性能も、「この断熱材をこのくらい入れれば、基準値くらいになるだろう」と対応していたわけですが、正確に断熱性能を計算しなくてはいけないとなると、計算する時間や精通するスタッフの人件費等、かかわるコストも必要になります。

つまり、断熱性能を上げるためにコストアップするのは当然ですが、それ以外にもコストアップにつながるわけですから、何もわからない消費者からすると、値段が上がるととらえるかもしれません。

それを説明するコストもかかる。

事業者からは「対応できないよ。」

となるのは目に見えます。

 

また、建築される住宅が「基準に適合しているのか?」を審査する書類や提出先での審査などに手間暇かかるので、建築の遅れが想定されます。

建築が遅れれば、事業者としてはお金が入ってくるタイミングがずれるわけですから、死活問題になるところもあるでしょう。

このような、多くの問題がいまだ残っていることから、2020年になる途中ではありますが、「延期」の指針を示したのだと思います。

建築士には省エネ基準に適合するのかの説明義務

先ほども話したように、今までも「省エネルギー基準」は存在しましたが、強制力がないために建てられる住宅の省エネ性はバラバラでした。

しかし、今回建築士には、「省エネ基準に適合するのか?」の説明義務が果たされるようになるとの指針が示されました。

これはとても大きな改革だと思います。

今まで、どの程度の省エネ性能が担保されているか?などは、ほぼ知る由もなかったわけですが、説明されることで消費者も意識するようになります。

 

一部大手ハウスメーカーでは、商品を規格化して、一定基準の省エネ性を担保できるようにしています。

 

例)一条工務店のi-smartの場合

引用:一条工務店i-smartパンフレットより

 

一条工務店の販売する住宅は、モデルハウスを例にした計算となりますが、断熱性能Q値を明記しています。

この断熱性能Q値は、冷暖房費に直結する数字で、低ければ低いほど冷暖房費が抑えられることになります。

参考記事

ハウスメーカーの断熱性能Q値によるカタログ記載冷暖房費は、よく見せるための偏った数字じゃないのか問題?自宅の電気代と比較してみたら意外な結果に【一条工務店:i-smart】

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今回、国が省エネルギー基準を義務化しようとしたものも、断熱性能は欠かせません。

 

この断熱性能Q値は、作る家の間取りによって左右されますが、壁に入る断熱材の素材や厚み、窓の仕様などは規格化されているので大きくぶれることはありません。

今現在は、省エネ基準に比べてどの程度の家になっているのか?を計算するには別途費用が掛かるところがほとんどでしょう。

しかし、今後建築士への「省エネ基準適合説明義務」が課されれば、誰もが安心した家づくりが可能になるでしょう。

参考記事

 

省エネ基準を上回る省エネ住宅「ZEH」

省エネルギー基準適合の義務化が延長されるにあたり、建築士による説明義務が行われるようになるわけですが、それが決定するまでは住宅の省エネ性は分からない状態で購入するしかないのでしょうか?

 

いま現在でも、省エネ性を確実に担保するなら「ZEH住宅」という基準があります。

この基準は、省エネルギー基準よりも高い基準を設定しており、評価書なども発行されることから、自分の家を客観的な数字で見ることができるようになります。

ZEH住宅は、国が主導して行っているもので、どの建築会社でも建てることができるか?というとそうではありません。

建築会社は「ZEHビルダー登録」をしていることが大前提となります。

登録先となる機関は、通称「Sii(シー)」と呼ばれる、一般社団法人 環境共創イニシアチブが取りまとめています。

あなたが気になる建築会社が、ZEHビルダーなのかどうか?を調べるにはZEHビルダー検索から可能です。

引用:一般社団法人 環境共創イニシアチブ【公式】

 

検索するポイントは、正式名称を入れることです。

つまり、呼び名で親しまれている「へーベルハウス」は「旭化成」でないとヒットしません。

あなたの町の省エネ住宅建築会社を簡単に調べる方法

一つ一つの建築会社をネットで調べていくと、いくら時間があっても足りませんよね。

Sii(シー)で検索しても、「正式名称が分からない」ということもあります。

そんな時は、LIFULL HOME’Sを利用すると便利です。

 

LIFULL HOME’Sは、一括資料請求サイトですが、資料請求するときにどんな特徴のハウスメーカーを探すのか?という選び方ができます。下記のような画面です。

引用:ライフルホームズ

 

 

この赤丸を付けた項目から入っていくと、建築地に合った「高気密・高断熱住宅」「ZEH・NearlyZEH住宅」を建築できるハウスメーカーや工務店を見つけることができます。

ここで見つけた会社に資料をもらうと、どんな断熱性能になっているか?が一目でわかります。

当然ですが、ZEH・NearlyZEHの項目から検索していくと、ZEHビルダーが出てきます。

しかし、ZEHビルダーであるのに、出てこない場合もあるので、「高気密・高断熱住宅」の項目もチェックするといいでしょう。

 

ここで注意ですが、高気密・高断熱住宅を提供していないハウスメーカーや工務店に、いくら高断熱化を伝えてもその重要性が分かっていないことが多いので、そういった会社には本当の高断熱住宅は作れないと思ったほうが良いでしょう。

いま、国が省エネな高断熱住宅に舵を切ったことで、どこの会社でも高断熱住宅を提供できると言うでしょう。

ただ、単純にお金をかければ高性能な断熱材を仕入れることはできますが、それをうまく施工できるかどうか?は専門性が問われるのです。

高断熱化することが、どれほど重要かを知っている会社は、すでに高断熱住宅を提供しています。そういった会社を選択するのが間違いない方法です。

 

まずは、あなたの建築する地域に、高断熱住宅を提供できる会社があるかどうかを確かめましょう。そして、その会社が高断熱にどれほど情熱を傾けているかを見極めましょう。国が言っているからではなくです。

 

注文住宅を検討している方は、平均9社以上のカタログ請求をしています。

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