太陽光発電が急速に普及してきている中、家庭用蓄電池の普及がいまいち伸びてきていません。その理由を探ってみましょう。
家庭用蓄電池について基本を振り返り、メリットデメリットを検証してみたいと思います。
家庭用の蓄電池の基本
蓄電池とはそもそもどのような使い方をするものなのか。
一躍脚光を浴びたのは震災のときでしょう。震災時は電気・ガス・水道というライフラインが全て止まり、復旧するまでに時間がかかります。その間を埋めるものとして蓄電池を採用する方が増えたのを記憶しています。
災害時以外の使い道としては、日常生活に組み込み、深夜電力の安い時間帯に充電して、日中の高い時間帯に使う。
これが基本的な使い方でしょう。
太陽光発電を搭載している方は、上記のほかに日中の電気は太陽光発電が賄う構図になるでしょう。
深夜:蓄電池へ充電→朝蓄電池使う→日中:太陽光発電→夕方蓄電池使う→深夜:蓄電池充電
蓄電池の働くイメージ
家の中にある分電盤が2つあるようになります。
1つは一般的に使われる系統A。
もう1つは停電時などの通電しないときに働く系統Bとします。
停電になるとAが使えなくなりますが、蓄電池から供給されるBは自動的に動いて電気を供給します。
ライフラインの要でもある照明や冷蔵庫・情報を取るためのTVになると思います。
イメージ↓
A(通常電力)→停電→電力が供給されない
停電→B(蓄電池電力)→指定機器への電力供給
電気料金の削減効果 メリット!
蓄電池システムの導入で電気料金を大幅に削減できるようになります。
料金単価の安い夜間のうちに充電を行い、電力使用の多い、料金単価の高い日中に電気を放電して高い単価の購入量を減らすことに繋がります。
一つ間違わないで欲しい所は、削減できる電気料金で蓄電池の初期購入費用の元は取れない(2017年18年現在)という事です。
電気料金の削減は個人としても嬉しいことですし、社会全体としては電力消費のピークを抑える役割も果たすことができるので社会貢献にもなります。
太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせると更にメリットを大きくすることが可能になります。
非常用電源としての活用 メリット!
3.11の大地震は日本を震撼させました。そのほか多くの場所で自然災害と呼ばれる台風や竜巻など多く発生し他人事ではなくなってきました。個人レベルでの防災意識を高めていかないとならないと感じます。
そのような災害発生時には電気の供給は1つの命綱でもあります。災害状況の情報確保・状況の発信ができるのも電源が確保できてのことです。また、寒い地域では暖をとる1つにもなるでしょう。
電気製品の消費電力
状況確認の手段として使える機器やライフライン機器の消費電力量
- ノートパソコン 50~120w
- デスクトップパソコン 150~300w
- 無線LANアダプタ 6~30w
- スマホ充電 15~20w
- 冷蔵庫 150~600w
- 照明(LED) 4~10w
- 液晶テレビ 40~60w
- ラジオ 5~20w
- エアコン 100~2000w
- レンジ 400~1500w
使用電力量(wh)=消費電力(w)× 使用時間(h)
災害時に必要と考える機器を自宅の中から選んで消費量を書き留めておきましょう。
何時間使えるのかも重要
家庭用蓄電池で使用できる機器の種類や可能時間は?
蓄電池には定格容量と定格出力があります。
- 定格容量:電気を貯められる値 表示方法kwh
- 定格出力:どれだけの電力を流せるかの値
例えば)
定格容量5kwh、定格出力2kVAの蓄電池の場合 (上記の消費電力参照)
- スマホの充電は安否確認や通信手段に必須ですね 20w
- 液晶テレビで外からの情報確保に 60w
- 冷蔵庫で食品を保存 600w
これらの機器を10時間以上余裕を持って使用が可能になります。
非常用にも使える大容量モバイルバッテリー【紹介です】
調理器具等でない、スマホやノートパソコンの電源供給に関しては、ポータブル充電器を日ごろ使っていればいざと言うときにも使えるヤツになります。
以下のモバイルバッテリーは「aceyoon notebook power bank」というもの。
私が外にノートパソコンを持ち出すときに携帯している大容量モバイルバッテリーです。このバッテリーは容量がかなり大きく【40000mAh】あります。
どのくらい持つのか(使えるのか)というと、私の使用している古めのノートパソコン「lnovo」では2回フル充電しながら、iphone6sの充電が2回くらいできています。
一日外にいて、ポケットWi-Fiを充電しながら余裕で過ごせます。
USBも使え、さらにDC変換プラグが付いているので色々な機器に接続が可能。
今調べたら、40000mAhがなく、20000mAhと50000mAhでした。
災害用として、日常で使いながら1台持っておくことをおすすめします。
モバイルバッテリーを持っていても、あかりを付けるのに照明へ電気を供給できなければ、スマホのあかりを頼りにするって、心もとないですよね。
私が使っているのは、「Wsky LEDデスクスタンド クリップライト」いつもは、デスク仕事で集中したいときに、周りを暗くしてこのLEDで明かりをとっています。
USBから電源を確保できるので、パソコンから供給していますが、災害・落雷時などの停電にも、モバイルバッテリーと合わせて使うことができるので重宝しています。
2018年9月6日に起きた、北海道の地震で改めて電気の必要性を痛感しましたが、今まで持っていたモバイルバッテリーでは用途が限られるなと感じました。
そこで調べたら、MATECH株式会社が2018年9月1日に発売したばかりの、「MATECH ToweCell+ ポータブル電源 20400mAh/85W」を発見。デザインも心くすぐりますね。
USBだけじゃなく、コンセント付きなので用途が広がります。
これらの機器があれば、家庭用蓄電池とまでいかなくても、災害時の数日間は情報取得に困ることはないですね。
家庭用蓄電池の デメリット!
よく言われる家庭用蓄電池のデメリットを上げてみましょう
- 本体価格が高い(元は取れない)
- 充放電に限りがある(蓄電池に寿命がある)
- 容量が小さく使える時間が短い(技術の進歩はまだ途上)
- 充電には時間がかかる(急速があれば別)
- 1回使い切ると充電環境が無ければ鉄の箱(災害時に使い切るとただの重い箱)
家庭用蓄電池を取り扱うメーカーは
家庭用蓄電池を取り扱うメーカーを紹介
- 京セラ
- シャープ
- NEC
- 東芝
- パナソニック
- ソニー
- デンソー
- 因幡電機産業
- GSユアサ
- 4R ENERGY
- ニチコン
- エナックス
- エリーパワー
- アイエムティ
太陽光発電システムを搭載している方は、パワーコンディショナと一緒になった蓄電池を利用している方もいます。
設置場所の問題を解消する為にもこのようなものが増えていくといいですね。
家庭用蓄電池のさいごに!
未来に向けての活用法
燃費問題で話題になっている海外自動車メーカーも電気自動車への舵を切りました。市場には続々とEVカーが投入されていますが、その次世代自動車の動力源は電気です。現在ニッケル水素電池やリチウムイオン電池が活用されています。
家庭用の蓄電池と自動車の蓄電池の規模は段違いにありますが、自動車の次には家の蓄電池の波が必ず来る時代となるでしょう。
蓄電池産業は日本が得意とする分野です。世界の蓄電池市場規模は2020年に20兆円。この5割を日本が獲得する目標にしているくらいの力の入れようです。
家庭用蓄電池を導入する場合は、補助金がでます。
一般財団法人環境共創イニシアチブは定置用リチウムイオン蓄電池を設置する方を対象とする補助金事業を行なっています。
国からの補助は最大100万円です。
2017年現時点では、蓄電池導入で儲けるとか導入資金の元を取るということはかなり厳しい価格設定になっています。
使い方を理解したうえで設置を検討しましょう。
おすすめです!