平成22年の7月にスタートした固定価格買取制度は5年目を迎えています。

この制度も5年を迎えかなり浸透してきたようにおもえますが、一般家庭での認識としてはまだまだ浅いような気がします。電気を使用している方は、賦課金という形で少なからずお金を提供し、この制度を養っていると言うことを知らない方は結構いるのではないでしょうか。そのようなことを含め、基本的な内容をお伝えしていきます。

 

2015年の日本のエネルギー自給率はなんと6%

日本のエネルギー自給率は6%なんです。すなわち94%を海外から輸入していると言う現状です。ちなみにアメリカは86%・イギリスは57.6%・フランスは53.8%・ドイツは37.9%、いかに日本のエネルギー事情が海外頼りになっているかが分かる数字ですね。

資源に乏しい日本では、再生可能エネルギーをいかに増やしていくかによって自給率を高め、海外に依存しない国になれるかが、今後の日本のエネルギー事情を左右するのです。

 

自動車産業でも、原油や化石燃料に依存しない車の製造が盛んになってきています。自家発電ができる太陽光発電は、一家に1台と言うような家電の一部になっていくのではないでしょうか。

ではこれから住宅を検討する方や、太陽光発電を載せようと思っている方の疑問質問基礎知識をまとめてみました。

 

太陽光発電のQ&A

仕事がら、家についての質問に加え太陽光発電についての質問を良く受けます。その良くある質問と基礎知識をまとめてみました。

 

 

太陽光発電の基本知識

Q. 『kw』『kwh』って、どういうものなの?

A. kw=キロワット、W=ワットは瞬時の電力を表す単位で、『kwh』=キロワットアワーは1時間あたりの電力量を表します。

例)10kwの発電が、2時間続くと発電電力量は20kwhになります。この20kwhに売電単価(調達価格)を掛けると売電価格になります。

※平成28年度の10kw未満(搭載量)東京電力圏内売電単価は 24円+消費税=25.92円(税込み)です。

20kwh発電した場合、518.4円が売電できることになります。

 

Q. パワーコンディショナーってどういうもの?

A. 太陽光パネルで発電する直流電力を、家庭で使えるように交流にする必要があります。この交流にする機械のことを言います。

 

Q. リモコンは何をするもの?

A. 発電状況・実績を確認したり、消費電力なども見ることができます。また、パワーコンディショナのコントローラーの役割も担います。停電時の電力の流れを変更するための装置でもあります。

 

Q. 再生可能エネルギーとは?

A. エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとされています例として・太陽光発電・風力発電・バイオマス・水力発電・地熱発電・太陽熱利用・雪氷熱利用・温度差熱利用・地中熱利用・その他日本の電力量の構成比率は、化石燃料が80%以上を占めています。水力を除く再生可能エネルギーの比率は3.2%、この比率を高めようとしているわけです。

 

Q. 再生可能エネルギー賦課金って何?

A. 太陽光発電システムで売電した費用が電力会社から支払われます。ではその費用は誰が支払っているのか?ご存知の方も多くなっていますね。電気を使用している皆さんです。太陽光発電を搭載している方もしていない方もみんなから支払いをうけています。その支払っているお金のことを『再生可能エネルギー賦課金』といいます。電力会社から来る明細に費用が明記されています。使用電力により金額が変わります。

 

Q. 余剰買取制度・全量買取制度とは

A. 余剰買取制度は10kw未満の設備で一般家庭の屋根に載っているものを想像すると分かりやすいでしょう。太陽光発電を設置している家庭の平均は約4kwほどです。買取期間は10年間で日中発電した電力を家庭で消費し、余った電力を売電にまわすと言う方法。

全量買取制度は10kw以上の設備を搭載しているものです、最近では一般家庭の屋根にも搭載していたり、ソーラー畑のように広大な敷地に設置しているものがあります。買取期間は20年間で発電した電力は全て売電にまわります。

発電量について

Q.  屋根の向きは、どのくらいの発電量に影響するの?

A.  太陽光発電パネルを最大限利用する場合屋根の方向によって異なります。一般的には、南向きが一番効率がいいとされています。(影などの障害物がない場合)南向きを100%とした場合、東・西向きは約83%・北向きはおススメいたしません。

 

Q.  時期によって発電量は変わるの?

A. 変わります。日本には四季があり、太陽光の角度や気温、日照時間等に左右されます。春の時期が一番良く、夏場が2番目、秋、冬と推移するイメージです。

 

Q.  地域によって発電量の差はでるの?

A.  あります。しかし日本の地域での差は大きくはありません。NEDO技術開発機構『全国日射関連データマップ』での地域別発電量全国に1kwあたりの年間予想発電量マップより

青森・975kwh

秋田・943kwh

東京・997kwh

長野・1052kwh

大阪・1044kwh

高知・1151kwh

福岡・1007kwh

Q.  曇りや雨の日では発電しないのですか?

A.  発電します。晴れの日に比べると発電量は減ります。目安としては、晴れの日を100%とすると曇りの日は、40~60%、雨の日でも、10~20%程度と言われます。実際に私の家でも、晴れ・曇り・雨と言う気象状況で発電量は変わりますが、しっかり発電しています。

 

Q.  どのくらいの発電をしているかは分かるの?

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A.  分かります。室内にあるリモコンのモニター画面で、リアルタイムな発電量が表示されます。曇りの日や雨の日も確認できます。また、消費電力、買電電力、売電電力が数字やグラフで分かります。チェックするようになると、消費電力を抑えるための意識が働きエコな生活につながります。

 

Q. 停電時に電気が使えると聞くけど、ほんとのところはどうなの?

A.  使えます。しかし、日中晴れた日であればと言う条件付きです。晴れた日の日中であれば、太陽光発電で発電した電力を1500wまで使用可能です。基本的には、専用コンセントから使用します。タップを用意することをおススメします。

 

Q.  1500wでどんな機器が使えるの?

A.  炊飯器・テレビ・ポット・携帯充電・パソコンと消費電力次第では同時に使用が可能です。災害時には、携帯の充電もままならない状況下に置かれますのでメリットは十分あります。充電式の乾電池を用意しておくと、かなり重宝します。

 

太陽光発電の売電価格

Q. いくらで買い取ってくれるの?

A. 10kw未満の太陽光【1kwhあたり】

  出力抑制機器設置義務なし 余剰買取 出力抑制機器設置義務あり 余剰買取 出力抑制機器設置義務なし ダブル発電・余剰 出力抑制機器設置義務あり ダブル発電・余剰
調達価格 31円 33円 25円 27円
調達期間 10年間 10年間 10年間 10年間

※出力抑制対応機器設置義務区域:北海道・東北・北陸・中国・四国・九州・沖縄電力

 

A. 10kw以上の太陽光【1kwhあたり】

  出力抑制機器設置義務なし
調達価格 24円+消費税
調達期間 20年間

年々調達価格は下がってきています。その分、パネルの単価も下がってきています。

 

再生可能エネルギー賦課金について

Q. 電気の買取に要した費用は誰が支払うの?

A. 費用は再エネ賦課金によって支払われます。電気を使用している家庭が電気代と賦課金として電力会社へ支払っています。要は、電気使用者(我々)が支払っているのです。

 

保証やメンテナンスについて

Q. 太陽光発電パネルが破損した場合はどうなるの?

A. 新築一戸建てで火災保険に入っている場合は、その住宅保険が適用されます。そのほかは、損害保険への加入でまかなえます。損保会社によって取り扱いが変わります。

 

Q. 太陽光発電パネル自体の保証期間は?

A. 販売会社や製造メーカーによって、10年15年20年25年と格差があります。最低でも10年の保証が、国としての基準。製造時(出荷時)における出力レベルに対し90%を下回る場合、等の条件がそれぞれあります。普通に使っている状況下では、中々90%を下回るようなことはないと考えられます。

私の家での出力低下は、1年で0.2%~0.3%程度と計算できました。経年劣化とすると優秀な結果ではないでしょうか。

 

Q. パワーコンディショナーの保証期間は?

A. 大体10年に定めているメーカーがほとんどでしょう。電気製品になるので、寿命は必ずあります。15年を迎える頃までに交換等のメンテナンスが必須です。全てを交換するというより、基盤の交換で済むように研究がされていると思います。

 

その他の費用について

Q. 設置ををする為に、他の費用は掛かりますか?

A. 屋根設置を後からする場合、補強工事が必要になる場合があります。10kw以上の太陽光の場合、電力会社により系統連携工事費用が請求される場合があります。全量買取制度を利用する場合、定額電灯契約が必要になります。定額電灯契約はパワーコンディショナーを動かすための電力契約で、月に数百円程度。余剰買取制度の場合は定額電灯契約は必要がありません。ローンを利用する場合は、契約に係わる契約印紙代や手数料・金利が掛かります。

 

まとめ

太陽光発電は投資対象としてみることができます。しかしながら、相手は自然の太陽光。その為、どうやってリスクを減らすかも重要な点になります。太陽光発電は住宅の場合、屋根の上に載ります。個人での点検が難しいシステムになっています。売電をする為、電力会社からの明細が届きますが、いつ故障したかのリアルタイムでの認知はできません。よくあるのが、明細が届いて初めて発電量が少ないのではないか?と気付くパターンです。ここで気付くと言うことは大分時間が経過していることになります。気付いてから、連絡を取り、点検に来てもらい、部品を発注し、工事に入る。この工程を1週間で済ませたとしても、損害は大きなものになること必須です。こうならない為の、モニタリングサービスを提供しているところがあります。もちろん有償サービスで、インターネット接続が必須となります。こういったリスクを軽減する策を検討して始めることが必要になるでしょう。

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調達価格が毎年下がってきていることを考えると、早めの検討設置をすることが懸命です。

 

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