もう大分浸透してきた感がある、太陽光発電システムですがまだ半信半疑な方が多く居ることも事実です。メリット・デメリットを考えた結果やはり手を出すべきではないという方が居ますので、おさらいという意味でももう一度メリットデメリットを検証してみたいと思います。
太陽光発電の年間発電量シミュレーションは何を元に計算するのか
多くの方が疑心暗鬼になる、本当のところの発電量はどうなの?と言う最初の入り口になるかと思います。太陽光が盛んに取り挙げられるようになってきた昨今、しっかりとした 知識を持った業者も居れば、そうでない業者が居ることも事実です。そんなことから、利益がこんなに出ますよとか、資産になりますよとか、皆さんやっていますからとか。何を信じていけばいいのか不安に駆られるのも当然です。
一つの指標になるのが、シミュレーション値です。業者が太陽光を売りたいが為に、大幅にシミュレーション値を改悪し、利益が多く出るように見せているものもあります。また、必ずかかる必要な経費を伝えず、表面利回りだけを提案書に盛り込み実際には経費が余分にかかっているなんてことも。
指標の一つであるシミュレーションは何を元にしているの?
ほとんどの業者がNEDOという、国立研究開発法人の”日射量データベース”を利用してシミュレーションを作成しています。このNEDOでは、国内837地点・20年間のデータベースを用い多様な日射量の算出ができます。日射量に限らず、降水量や気温等も把握している基準になっています。
お住まいの地域のもしくは、太陽光パネル設置地の年間平均日射量をパネル搭載量と変換効率等を加味しどのくらいの発電量になるかを数値化して、導入費用を回収するまでに何年かかるのかが推測することができます。
1社だけのシミュレーションでは、それが正しいものなのかが分かりませんので数社比較することをおススメします。先にも記載したように、データベースは同じところのデータとなりますので、違いは太陽光パネルとパワーコンディショナ、設置角度の違いになってきます。
太陽光パネルにはどんなメーカーがあるの?
住宅用太陽光パネルの主要メーカー一覧
- 東芝
- シャープ
- パナソニック
- カナディアンソーラー
- 長州産業
- 京セラ
- 三菱電機
- ソーラーフロンティア
がメジャーなメーカーでしょう。
メーカーによる違いは何?
メーカーによる違いは、変換効率がよく比較される対象となります。変換効率とは、パネルの発電性能を表す数字となります。
変換効率は1平米あたり(面積)の出力になります。カタログ等には、変換効率19%とか16%とかの記載になりますね。この変換効率の差によって同じ屋根の面積でも容量の差が出てきます。某ソーラーサイトに掲載されていた例をご紹介します。
●東芝製パネル 出力250W 変換効率20.1% 寸法1,559mm×798mm
●ソーラーフロンティア 出力170W 変換効率13.8% 寸法1,257mm×977mm
同じ寸法の屋根に2社を載せると、東芝では6kw搭載:ソーラーフロンティアでは4.25kwと大きく差が開きます。
この違いで変わることは、搭載原価を回収できる年数が変わります。多ければ多いほど回収が早くなるのが太陽光発電の仕組みになりますので、変換効率は良いものを選ぶのが基本になるでしょう。ただ一概に言えないのは、変換効率がいかに良くてもパネル単価が高いと意味がありません。そこは注意したいところです。
太陽光パネル以外の機器パワーコンディショナとは
俗に”パワコン”と略されているあれです。役割は、太陽電池モジュール(パネル)から送られてきた直流電流を家庭内で使用できるように交流電流に変換する機器です。
このパワコンにも変換効率があります。メーカーとしては、
- 三菱電機
- 東芝
- カナディアンソーラー
- サンテックパワー
- ソーラーフロンティア
- 京セラオムロン
- パナソニック
- 田淵電機など。
気になる変換効率は、ほとんどのメーカーで95%前後となり横一線です。どこの太陽光パネルにするかによってパワコンが限られてくることもあるので、値段のみならず総合的に判断することが必要になってきます。
ちなみにパワコンは消耗品の部類になります。約10年を過ぎたあたりから交換する部品が出てくるようになります。
メリット・デメリット
メリット
- 電気代の削減
- 売電の収入
- 非常用電源
- エコ
デメリット
- 設置費用が高い
- メンテナンス費用
- 発電の不安
- 災害の不安
- 雨漏りの不安
- 漏電の不安
- 重さの不安
- 近隣トラブル
設置を躊躇する方の大多数は【不安】が拭い去れない方になると思います。その場合は、金銭的なメリットがあるのは確実なので、数値化してみて不安と天秤にかける方法が一番と思います。その上でデメリットが強調されるようであれば搭載しないという考えもあると思います。
まとめ
太陽光発電は一気に浸透してきた新興産業のようなものですので、導入に躊躇される方も多く居ることと思います。しかしながら、現在の日本のエネルギー自給率は4%ほどと、先進国の中でもダントツに低い水準に落ち込んでいます。周りのデメリットだけが強調されている噂話を信じるのではなく、自分で判断できる知識を持つことが、どちらになるにせよ後悔しない対策になるでしょう。別のページでは、デメリットを深堀していきます。