アイスマートに住んで早5年が経過しましたが、良く言われるシロアリの保証は5年間。でも、一条工務店からのメンテナンスしませんか?の連絡もありません。
保証書をよく見ると、一条工務店の「防腐・防蟻処理の保証期間は10年間」と。
シロアリ被害にあわないためにかかるといわれるメンテナンス費用は、20~30万程度。
これが5年毎にかかるとなると、かなりの金額になっていきます。
だから、シロアリ処理をしない人が多いんですよね。
一条工務店の展示場に行くと、「加圧注入処理」なる防腐防蟻処理の期待年数は75年というような、ポスターを見かけます。
でも、処理範囲はすべてではないんです。
今回は、一般的に行われている防腐防蟻処理と、一条工務店の防腐防蟻処理について紹介していきたいと思います。
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一般的な防腐防蟻処理効果は5年で保証期間も切れる
一般的に行われている腐りシロアリに対する処理は、薬剤の効果持続期間の関係などから5年で保証が切れます。
そのため、5年経過後について、そのほとんどは居住者の管理責任になってきます。
よくあるシロアリ被害にあった写真などは、15年20年以上と経過した家がほとんどです。そのような状況に保証期間中の5年で、しかも薬剤の効果が持続しているときには考えにくいのです。
なので、5年後に再処理の連絡をもらったとしても、数十万かかる費用の実感がわきません。
被害にあっていないのですから。
防腐防蟻処理はどうなっている?建築基準法と住宅性能評価
建築中に薬剤処理をしなくてはいけない範囲は、地面から1mまでと決まっています。
この内容は、建築基準法施行令の49条2に書かれています。
また、国土交通省の住宅性能評価基準(P49辺り)には、詳しくかかれていますので興味がありましたら読んでみるといいと思います。
ここからは、私見ですが、1mの範囲には床面から上の部分も含まれます。
柱などがむきだしになるような家であれば、5年後の再処理が可能かと思いますが、外壁に面する場所は、内壁に挟まれており、その中には断熱材がびっしりと施工されているはずです。
つまり、防腐防蟻処理で一般的に行われている「表面塗布処理」と呼ばれる施工では、薬剤の効果は5年、再処理は床下以外基本的にしないという方向性なのだと感じます。
一条工務店のシロアリに対する保証期間は10年間
上で一般的な防腐防蟻処理をした場合の効果と保証期間が分かりましたが、一条工務店の保証は倍の10年間となっています。
薬剤の効果が5年といわれている中どのような処理や薬剤を使用しているのでしょうか。
また、法令で定める地面から1mではなく、1階部分のほとんどを処理しているとのこと。
一条工務店のシロアリ処理は、75年以上持つなどかなりの効果を持続させるようにうたっています。
75年以上の効果を発揮する加圧注入処理
一条工務店が言う、75年以上効果がある防腐防蟻処理は、加圧注入処理をした部位のみとなります。
この施工範囲は、商品タイプによって変わります。
一条工務店の商品タイプは、工法によって大きく2つに分かれます。
- I-HEAD工法
- 内外ダブル断熱工法
I-HEAD工法は、別名【夢の家Ⅳ】と呼ばれる木造軸組工法
内外ダブル断熱工法は、別名【i-シリーズ】と呼ばれるツーバイシックス工法
防腐防蟻処理範囲【I-HEAD工法】
1階構造材のほぼすべてに加圧注入処理を施し、1階断熱材にも処理をしています。※破風部も処理しています。
加圧注入処理には、安全性の高い「ACQ」という薬剤を使用しており、これは子供用の目薬や、シャンプーなどにも使われるものです。
加圧注入処理した木材は、その安全性や耐久性から日本各地で使われています。
とくに、公園などに設置されている子供が遊ぶ遊具に使われたり、木製のジェットコースターにも使われている(た)ことで、耐久性にも問題が無いとされています。
※ 三重県桑名市のテーマパーク「ナガシマスパーランド」の木製ジェットコースター「ホワイトサイクロン」は、2018年1月28日に営業を終了しています。24年もの長い間親しまれてきました。
有名温泉地でも加圧注入処理材が使われる
数年前に、家族旅行で群馬県の温泉地【草津温泉】に出かけたときに、加圧注入された木材を有名な【湯畑】で見つけました。
加圧注入するのに、木材の奥深くまで薬剤が浸透する必要があります。
そのため、インサイジング加工を施すのですが、その跡がありました。
※インサイジング加工とは、木材の表面に一定間隔の傷のようなものを付け、薬剤が浸透しやすくしたものです。
インサイジング加工した加圧注入処理材は、薬液が固着する手法をとっているので効果が長く持続します。
その効果を100年以上とするところもあるほどです。
防腐防蟻処理範囲【内外ダブル断熱工法】
内外ダブル断熱工法の、i-シリーズでも防腐防蟻処理範囲は同じ1階部分です。※破風部も処理しています。
処理範囲は同じなのですが、画像文中にあるように、「部材や場所に応じた方法を用いている」と書かれています。
つまり、加圧注入処理だけではなく、適材適所に使用薬剤や手法を変えているということです。
加圧注入処理を施しているのは、土台や主要構造材の外壁に面する柱材など。
そのほか、
- 内部壁材には「アリピレス」
- 断熱材には「ニッソーコート」
- 基礎土壌には、「コシペレット」
- 基礎水抜きやシーリングには、「コシシーラー」
幾重にも、対策を施していることが分かります。
まとめ
どこのハウスメーカーでも、当たり前のように基準法にのっとった処理をしている現状がある中、先の先までを見据えた処理をしているのが一条工務店なのかと思います。
その考え方は、昔から取り組んでいる「家は、性能。」にすべて集約されています。
高気密高断熱なんてそこまで必要ないといわれた20年も前から、樹脂サッシを標準化していたりします。
今の日本の窓の需要はどうでしょうか。
やっと、アルミと樹脂の複合サッシが標準化されたくらいです。
この先後5年もすれば、樹脂サッシが標準的なものとなると思います。
温暖化が進む日本では、シロアリの生息範囲が広がり、外来種が増えています。防腐防蟻処理がもっと厳しくなるのも時間の問題でしょう。
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