家の不具合は、地盤が関係して起こることが7割と言われます。

どれだけ「耐震強度が高い家」とうたうハウスメーカーでも、地盤が悪ければまったく意味がありません。

それだけ、重要な地盤ですが、そもそも安心な土地を最初から選ぶことができるのでしょうか?

「地盤は調査してみないと分からないでしょ。」

「UR都市開発機構の販売する土地だから安心じゃない?」

このようなの疑問にお答えします。ある程度目安を付けることはできるんです。

 

自然地形から地盤の良し悪しを判断

昔から、家を建てる場所は、地形から目安を付けてきました。その知恵を借りて地盤の良し悪しに目安を付けることができます。

良好な地盤と呼ばれる地形と、そうではない地形があるならば、良好な地盤のほうが、地盤改良工事をする確率が少なくなります。

では、良好な地盤は、どのような地形を選べばいいのでしょうか?

 

地形から推測する、地盤種別

地形種別 地盤種別 備考
扇状地 良好な地盤
自然堤防 比較的良好な地盤
三角州 軟弱な地盤 液状化の危険性大
後背湿地 極めて軟弱な地盤 液状化の危険性大
おぼれ谷 極めて軟弱な地盤 液状化の危険性大

引用:一条工務店「地盤調査のおすすめ」より

自然地形図から推測する地盤の良し悪し

あなたが購入を検討している土地は、この該当地形のどこに当てはまりますか?

大きなくくりで見ると、その地形がおおむね

  • 良好な地盤なのか?
  • 軟弱な地盤なのか?

の目安が付きます。

引用:一条工務店「地盤調査のおすすめ」より

上記図にプロットしてある英数字A~Kまでは、下記表の地形を指しています。

地形名称
A:扇状地 E:洪積段丘(丘陵) I:潟湖
B:自然堤防 F:崖錐 J:潟湖跡
C:後背湿地 G:小扇状地 K:おぼれ谷
D:三角州 H:海岸砂洲 L:埋積谷

比較的地盤が安定している土地

  • 丘陵地
  • 砂丘
  • 砂洲
  • 自然堤防
  • 扇状地
  • 扇状地性低地
  • 台地

地盤が不安定な土地

  • 崖錐
  • 干拓地
  • 旧河道
  • 後背湿地
  • 三角州
  • 潟性低地
  • 谷底低地

自然地形以外の埋め立て地はどうなの?

東日本大震災で液状化したとして、注目を浴びた千葉県浦安市は、1960年代後半から造成された埋め立て地が約4分の3を占めている市です。

自然にできた地形ではないことから、推測する地盤の良し悪しの判断は難しいところですが、大地震による被害を受けた状況をみると、埋め立て地は危険を伴う場所の一つになるでしょう。

あお

国がやっているからとか、機構がバックアップしているからとかは、安心の基準にはならないかもしれないな。

しかし、しっかりと対策を施した公共施設や大規模建築物には被害が少なかったことを考えると、事前の対策をすることで住みよい街になることは分かります。

建物を支える直下対策は功を制した感がありましたが、市も言っているように、上下水道や道路などのライフラインが大打撃を受けてしまっています。

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今後の埋め立て地の課題となっています。

※出典:災害写真データベースより

昔の地名から推測する

町の地名は、地形が起源となっていることが多くあります。

田を使用する地名は、田畑が盛んにおこなわれていたことを表したり、水を表す字が含まれる地名は、川や湖や沼などが近くにある、あったことを示すことがあります。

「水」を表す文字が含まれる、また水は高いところから低いところに流れるので、「低」を表す文字が含まれる、もしくは、意味する地名がつけられると「軟弱地盤」の可能性が高まります。

悪い地盤の地名とは

「サンズイ」のつく地名

湖・池・沼・泥・渋・洲・沢

「水」にまつわる地名

田・川・河・稲・水・橋

「低い場所」を表す地名

谷・窪・下・久保・

地形 代表的地名
低湿地 アクダ、アクド(悪田) アト(阿戸) カツタ(勝田) アフラ(芦原) クボ(久保)
新田開拓地 オキ(沖) カラミ(層) コモリ(小森) タシロ(田代) チサキ(地先) ベフ(別府)
砂洲・千潟  イサ(伊佐) イサゴ(砂子) シカ(鹿田) ス(洲) スカ(須加) タマ(手間)
崩崖 アツ(小豆沢) アゾ(阿曽原) ウツ(宇津) クエ(久江) ダシ(出谷) ボケ(歩危)

※出典:日本建築学会:小規模建築物基礎設計の手引き 引用:一条工務店「地盤調査のおすすめ」より

あお

駅の名前なんかも、土地柄を意識した名前が多いらしいよ。

渋谷なんて、谷だし、津田沼っていうのも、3つの町の名前で、しかも意味があるんだって。

良い地盤の地名とは

山や台地などの高い場所を示すような地名は、比較的良好な地盤と推測することができます。

「やま」を表す地名

山・岳・峰・嶺・尾

「台地」を表す地名

丘・岡・台・坂上

「高いところ」を表す地名

高・上

「自然堤防」を表す地名

曽根・埼・崎・岬・塙

じょし

ほんと、昔の人の知恵は役に立つことが多いよね。

新しい街の旧地名の調べ方

生活ライフラインの整備の関係上、昔ながらの地形がそのまま残っている状況ばかりではないと思います。

国が主導している大規模土地開発エリアでは、人が集まりやすい、今時のおしゃれな街の名前に代わっていることがほとんどです。

「~タウン」

「~台、~丘」

このような場合、昔の地名はどのような名前だったのかを調べることが必要になります。

法務局で土地登記簿を閲覧する

私の住む町でも、郵便物が届く住居表示が選択されていますが、これでは昔の地名が出ていません。

「〇〇県〇〇市〇〇1-2-3」

しかし、法務局に登録されている「土地登記簿謄本」を取得すると、

「〇〇県〇〇市〇〇字(大字)〇〇1-2-3」

というように、字(大字)名が記載されています。

 

私の住むところは、「~字新田」という地名になり、読んで字のごとく、田園風景が望め、米(コメ)がおいしい街です。

 

そのため、地盤調査をした結果は、当然のことながら「改良工事」が必要な場所となりました。

 

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まとめ

紹介してきた内容は、よく言われる目安となります。

必ずしも、良い地盤の地形で改良工事が必要ないか?というとそうではありません。

正確には、家を建てるピンポイントの地盤調査が欠かせないものになります。

 

しかし、気に入った土地一つ一つを調査することもできないため、先人の知恵を生かしながら土地探しの目安を付けることが必要になります。

町全体が危険なエリアになると、大規模震災の時にライフライン復旧に時間がかかります。

紹介してきたもの以外にも、自治体の発行している「ハザードマップ」を参考にするなど、多くの資料を目にすることで、判断を付けることをおすすめします。

兵庫県内を襲った台風21号の高潮被害では、安全とされていた芦屋地区に測量ミスが明らかになたことから、すべてのハザードマップが信用できるものなのか?も疑問です。

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しかし、周辺の環境を検討材料に含めることで、避けることができる判断もできたかもしれません。

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