2016年5月から電力自由化が行なわれ、電力を供給する企業が増えました。自由化前までは、乗り換えるというアンケート結果が凄く多かったのですが、蓋を開けると乗り換えた人は数パーセントにとどまっています。
ライフラインの重要な一つ電力。一生のうちにどのくらいの電気代を払う計算になるのでしょう。住宅を購入してもローンが支払い終われば完済。しかし電力は生きている限りほぼ皆さんが支払う必要があるコスト。
そんな電気代をいかに安くするかは生涯にいくらを電気代に当てるかのポイントにもなってきます。
今回は、オール電化住宅の普及が目覚しいので【スマートライフプラン】と言うオール電化にやさしいと言われているプランに着目しました。
スマートライフプランはどんなプランなのか
電力自由化が行なわれる前(東京電力館内)はスマートライフプランは存在しませんでした。代わりにあったのが【電化上手】です。自由化に伴い廃止となったプランで、以前から契約していた方のみ継続が出来ると言うプランです。自由化の切り替えの時期に、東京電力から電化上手のままのほうがお得になりますよ。と言う案内が来ていましたね。
スマートライフプランと電化上手を比較することでどんなものかが分かります。
スマートライフプラン2016年4月1日~ 料金プラン
2つの料金体系で構成されています。
- 基本料金 1kw/450円(税込)
- 電力量料金
- 昼間料金 AM6:00~AM1:00の間 1kw/25.33円
- 夜間料金 AM1:00~AM6:00の間 1kw/17.46円
ご契約電力の決まり方
●ご契約電力は、ご使用いただいた30分ごとの使用電力により決定します。
●30分ごとの使用電力量のうち、月間で最も多い値を2倍した値を最大需要電力と前11ヶ月の最大需要電力のうち、いづれか大きい値がご契約電力(kw)となります。その契約電力の大きさによって基本料金が決定します。
とうたっています。
深夜電力を利用する機器【エコキュート】等の湯沸し時間は要注意ですね。深夜電力の割安時間が短縮されており、単価も上がりました。
電化上手 ~2016年3月末まで 料金プラン
- 基本料金 ~6KVA=1,296円 7~10KVA=2,160円 11KVA以上=2,160円+1KVAごとに280.8円
- 電力量料金 夏季(7~9月)その他季(10~6月)
- 夏季・その他季 朝晩時間 AM7:00~AM10:00 PM5:00~PM11:00 25.92円
- 夏季 昼間時間 AM10:00~PM5:00 38.63円 その他季 31.64円
- 夏季・その他季 夜間時間 PM11:00~AM7:00 12.16円
過去1年間のピーク電力(最大需要電力)を元に基本料金が決まる
新しい【スマートライフプラン】は注釈にもあるように、最大需要電力を基本料金になると記載しています。
どういう事なのでしょうか。
これは、一気に電力を使いすぎるとその使った最大需要電力が基本料金に反映されるという事。これでも分かりずらいですね。
極端な例ですが、1年のうち11ヶ月ほとんど電気を使いませんでしたが、1ヶ月のみエアコンを4台稼動しました。この場合、この1ヶ月の最大需要電力で1年間の基本料金が決まります。
11ヶ月間は1kwの450円の基本料金で賄えると思いきや、たった1ヶ月の6kw使った月が基本となるので、計算上 6kw×450円の2700円が12ヶ月の基本料金として決まってしまうことになるんです。
12ヶ月間、毎月1kwならば5,400円/年 しかし1ヶ月のみ6kw使ってしまったら32,400円/年と物凄い差となってしまいます。
でもこんなことがおこりえるのか?と言う疑問ですが、じつは普通に起こりえます。
冷暖房を使い始める時が基本料金を決めるキーになる月
オール電化になると、冷暖房も電気に頼る機器を導入しているはずです。すると一番電気のかかる冬の時期に、家族4人で3台のエアコンを動かすと言う状況は起こりえます。リビングで1台・子ども部屋でそれぞれ1台ずつ動かすと計3台。
エアコンは動かし始めた時が一番電力を食います。ここ最近ツイッターなどでつぶやかれる24時間エアコンつけっぱなしにした結果!などで、こまめに入り切りするより電気代がかからないという事が分かってきました。かくいう私も試してみました。エアコン床暖房付けっ放しの記事はこちら!
なので、付け始めに電力が掛かり、それがそのまま1年間の基本料金を決定してしまうことに繋がるんです。
エアコンだけではなく、一緒にIHクッキングヒーター、エコキュートの湯沸かし、ドライヤーなどを一緒に使おうものならグングン最大需要電力は上がっていきます。
スマートライフプランを賢く利用するには
上記のようになる前に、使い方をマスターする必要があります。その為にご自宅にある電気を使う家電類の消費電力を確認しておきましょう。
- 冷暖房設備は複数台一度に使うと危険
- 冷暖房設備と消費電力の多い機器を同時使用を避ける
この二つが大きく左右します。
一般的な家電の消費電力を記載しておきます。参考にしてください。
家電製品 | 消費電力(w) | 家電製品 | 消費電力(w) |
冷蔵庫(常時運転) | 150-600 | ドライヤー | 800-1200 |
トースター(加熱時) | 1000 | アイロン | 1200 |
電子レンジ | 1300 | 掃除機 | 1200 |
食器洗い乾燥機 | 1300 | コタツ | 600 |
炊飯器 | 300-700 | 電気カーペット | 500-800 |
炊飯器(IH) | 700-1300 | ハロゲンヒーター | 500-1000 |
ホットプレート | 1300 | 加湿器 | 300-500 |
洗濯機 | 500 | 液晶テレビ(32型) | 150 |
洗濯乾燥機 | 800-1000 | プラズマテレビ(32型) | 240 |
まとめ
電力自由化で個人でも電力会社を選ぶことが可能になったとは言え、新電力ではオール電化に対応した電力プランを用意している所がほぼありません。旧電力会社の独壇場です。それにはオール電化の顧客を奪うのに新電力としてうまみがないという裏の事情があります。
しかし、電気・ガス・灯油というエネルギーを使い分けるほうが高コストになるわけなので、電力自由化となった今スマートライフプランとうまく付き合う生活を見出すことが一番の得策と言えるかも知れません。
2017年ガスの自由化も始まります。エリアと言う垣根を越えた更なる新しいプランが出てくることを期待しましょう。
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