最近、父の耳が遠くなったので「補聴器」を勧めたいけどどうやって選べばいいの?
補聴器を検討するとき、何から始めたらいいの?
このような疑問が出てくることでしょう。
この記事では、耳の聞こえが悪くなった時、知っておいて損はない基礎知識を紹介します。
ある時、父を呼んだ時に、
「ん!? 最近、耳の聞こえが悪くなってきたんじゃないかな?」
と、違和感を感じました。
母に、そんなことを話してみると。
「そういえば、最近テレビの音量が大きくなってきたわね。」
「話をしていても、聞き返すことが多くなってきたし。」
と、同じ感覚を抱いていた様子。
電話が鳴っていることへの反応も鈍く、孫が「じぃじ~!」と呼んでも反応が遅い。叫んで何とか聞こえる感じ。
父は、歳(とし)の割に活動的なところがあるので、80歳近くなった今でも一人で車を運転して買い物に出かけることが多くあります。
そんな中で、「耳が聴こえにくい」となると、運転にも支障をきたすことになります。
緊急車両のサイレンや、クラクションの音にも、反応が遅くなるようであれば、本人だけでなく、他人を事故に巻き込んでしまう可能性は否定できません。
そうなってからでは遅いと、補聴器を勧めようと思いましたが、私自身、補聴器についての知識なんて持ち合わせていません。父に直接買いに行ったらと勧めても、いつまでたってもいかないはず。
早速、ネットから資料請求をしてみました。資料が届くまでに、何気なく街の中を眺めていると、これほどまでに「補聴器」という看板があることに気づきました。
子供の付き添いで耳鼻科に行けば、補聴器のパンフレットはあるし、ドラッグストアに行けば、補聴器と書かれたのぼりが泳いでいる。
結構身近な存在なんだなと感じずには居れないほどです。
早速、届いた資料に目を通しましたが、直接聞いた方が早いと、アポイント取得。
補聴器専門店とメガネ店で聞いた話をシェアしたいと思います。
補聴器購入前に耳鼻科を受診すべき理由
補聴器云々の話をするより、まずは耳鼻科を受診することを勧められました。
その理由は、加齢からくる、耳の聞こえの悪さ以外にも原因がないかを調べること。
例えば、「耳垢が詰まって、聞こえない」っていうようなこと。
これ結構あるらしいです。
補聴器は数万円から数十万円(片耳)という値段がピンキリな商品です。間違って買ってしまってからでは遅いですね。
また、難聴の度合いによっては補助を受けることができる可能性があるんです。
この状況を一発で判断できるのは、耳鼻科の医師。
まずは、「耳鼻科の受診」をおすすめする理由が分かりました。
補聴器の値段の違いは
補聴器は、片耳で数万円から数十万円という値段がピンからキリまである商品です。
初めて補聴器の価格を目にすると、ビックリするような値段です。
このビックリするような値段の違いは、音のレベルによって変わります。
音のレベルとは、どれだけ「雑音」を排除できるかです。
補聴器を使う人の生活環境によって、選ぶ補聴器のレベルが変わります。
聴力を判断するのに、㏈(デシベル)を参考にします。
正常値(0~25dB)
- 問題なく会話が出来る状態。
軽度の難聴(25~40㏈)
- 会話をしているときに、しばしば聞き返すことがある。
- 小さな話し声やささやき声が聞き取りにくい。
中度の難聴(40~70㏈)
- 隣の部屋や後方での会話には気づかないことがある。
- 時々、テレビやラジオの音が大きすぎると注意される。
- 話を正確に聞き取れないのに、相づちを打つことがたびたびある。
高度の難聴(70~90㏈)
- 電話の声が聞き取りにくいことがある。
- 銀行、役所、病院などで名前を呼ばれても、聞き逃すことがある。
- 非常に大きな声での会話のみ聞き取れる
重度の難聴(90㏈以上)
- 大きな声で正面から話をされても聞き取れないことがある。
- 目の前の電話のベルが聞き取れない
これら、どのレベルにいるのか?によって補聴器の性能も選択されるでしょう。
補聴器を使用する人が高齢で、普段家にしかいないというレベルであれば、高額な補聴器は必要ないとのこと。
もちろん、本人が試してみて聞き取りやすい製品を購入するのがベストです。値段が高額でも、それが自分に合っているかどうかは難しいところです。逆に値段が抑えられたものの方が、フィットすることもあるかもしれません。
補聴器は値段で選ぶものではなく、試してみて、感じることが必要になります。
補聴器の価格はなぜ高額なの?
補聴器の値段を初めて見た時大変驚きました。
大きさにして、1円玉にも満たない、ワイヤレスイヤホンに似たものが、数万円~数十万円。しかも、両耳になると、高いものでは100万円を超えてきます。
高性能な無線イヤホンでも数万円でそうとう良いものが購入できるのに、さらに桁が変わってきます。
その理由には、「補聴器は買っておしまいではない商品」だという事。
一般的な商品(製品)は、購入したら故障時の保証以外はほぼ、ノータッチですよね。
しかし、補聴器は購入してからのメンテナンスが必要な商品だということが分かりました。
高額な理由は?
- その小さなボディに、高性能なチップが埋め込まれているから
- やたらと売れる商品ではないので、開発費等が1個当たりの価格に転嫁されるから
そして、
- 1回購入したら、メンテナンスで5年6年のお付き合いになるから
- 一度購入したら、音の聞こえ具合や耳のフィット感など頻繁に相談するから
と言うことが分かりました。
補聴器はメンテナンスが必要
補聴器の値段には、のちのメンテナンスに係る費用が含まれていることが分かりました。
補聴器のメンテナンス方法
- 耳垢の除去
- 補聴器に溜まる湿気の除去
- 聞こえの変化に対する調整
- クリーニング
などです。
寝る時以外、常時付けていることが多い補聴器は、耳垢がついてしまったり、湿気が溜まったりします。その湿気を定期的に取り除かないと故障の原因になり、高性能で高価なチップを長く安心して使えることが出来なくなります。
個人差がありますが、耳垢も「乾燥している人」や「ジメジメしている人」などに分かれるので、どうしてもメンテナンスは避けられません。
時を重ねれば身体も変化してきます。
その中で、耳にも変化があり、繊細な場所であるからこそ、ちょっとした不具合が、違和感や不快感につながるとのこと。3か月や6ヵ月と、メンテナンスを行う間隔は人それぞれらしいですが、数年間、購入したお店とのおつきあいが始まります。
補聴器は電気で動いている
「充電式タイプ」と従来からある「電池式タイプ」最近では、「ハイブリッドタイプ」などに分かれますが、電池の購入もメンテナンスに訪れた際にする方が多いらしいです。
電池は、1日12時間使用したとして、約1週間の寿命。1個あたり数十円のコスト。
夜寝るときは、電池を補聴器から抜いて保管しないと、電池寿命が半減します。
補聴器はどこで買うの?
補聴器は、みなさんどこで買うのでしょうか?
大々的に販売しているような商品でもないので、あまりお目にかかる機会も少ないでしょう。
補聴器を購入する前に、耳鼻科を受診するのが先決だ。という話をしましたが、その耳鼻科で提携している販売店を紹介してもらえます。
耳鼻科の待合室を良く見回すと、掲示板なんかにパンフレットが置いてあるはずです。
ほとんどの場合、補聴器専門メーカーの営業マンが、耳鼻科の先生にパンフレットの設置をお願いしています。
ただ、そのメーカーがあなたに合うかどうか?は分かりませんので、試すことが必要になるでしょう。
そして、補聴器はメンテナンスをする商品とお伝えしました。
と言うことは、あなたの日々の行動範囲の中に、補聴器を買う(メンテナンスが出来る)お店がある必要があります。
これはとても重要なポイントです。
安心して補聴器を購入できるお店
- 耳鼻科の先生からの紹介
- 補聴器専門店
- メガネ専門店
補聴器専門店は、耳鼻科の先生とつながっている所が多くあります。患者さんを紹介してくれるからです。
メガネ専門店では、補聴器を取り扱っているお店が多数存在します。視力低下で高齢な方が利用する頻度が高いので、高齢者向けの商品として取り扱っているのでしょう。
初めての補聴器は、レンタルなどで借りて合うのか確かめる
耳鼻科でどの程度の難聴なのか?を調べるわけですが、
どのくらい聞こえているのか?は本人にしか分かりません。
そのため、少しの間レンタルして、補聴器の調子を確かめることができます。
販売店によっては、補聴器を一定期間貸し出してくれる所もありますが、「メガネのパリミキ」などでは、1カ月数千円でレンタルできるところもあります。
まとめ
初めての補聴器は、分からない事ばかりです。
高額な商品で、長く使うことが考えられますので、1つの販売店だけではなく、2社3社比べることをおすすめします。