住宅ローンには3つの金利タイプがありますね。
『変動金利』『全期間固定金利』『固定期間選択型』
ほとんどの人が、一生に1回くらいしか借りないローンなのでみんなが初心者といっていいのではないでしょうか。
分からないことは、凄く怖いことなんです。
今回は分かり易く変動金利型の住宅ローンを見ていきましょう。
変動金利型とは
変動する金利ですね。借り入れ後に金利が変動すれば適用金利や返済額が変わるもの。
言葉で言うと うん そうだよね。っていう感じになります。
よく見かけるチラシを例に説明していきましょう。
3000万円借りた場合 変動金利 0.625% 35年返済
月々が79,544円 家賃並で家が持てる。
家賃がもったいないと思いませんか。
こんなの良く見たことありますよね。
『月々8万円ほどで、一生住める家が手に入るなら、払い続けても手に入らない家賃を払い続けるよりマシだよね。』
なんて夫婦の声が聞こえてきます。ちょっと待ってください!
変動金利ですよ、皆さん。へ・ん・ど・う
変動金利について、良く調べてから考えましょう。
民間金融機関のほとんどが変動金利を進めてくる理由
銀行の住宅ローン商品では、ほとんどが変動金利を進めてきます。
なぜでしょう。それはビジネスだからです。手数料商売なので、利益が出なければ存続していくことができないんです。当たり前ですよね。
そこから考えると・・・変動金利って 銀行からすると凄く都合の良い商品なんです。0.625%の金利で契約しても、利益が取れるように、たとえば0.2%の利益があるとします。5年後に1%に金利が上がったとしても、0.2%の利益はそのままになり、借主に伝えるわけです、金利が上がりましたので変動した金利でお支払いください。となるわけです。
銀行としては、痛くもかゆくも無いわけで、痛いのは、借主となるあなたなんです。住宅ローンの契約をした時点で利益が一定で取れる、しかも数十年続けてもらえる。こんな安定した商売他にありません。だから、変動金利を進めてくるのです。しかも見た目固定金利より低いですからね。
では、もう少し深く変動金利を見ていきましょう。
金利が変動するので、上がったり下がったりするわけです。われわれからすると、あがるのが怖いわけなんですが、どこまでも上がり続けるということではないんです。一定の決まりごとがあります。
最初の5年間は支払い金額は変わらない
これは一見すると安心材料にも見えますしかし、支払いの内容を見てみると79,544円の返済額の元金と利息の割合は(先ほどの3000万円を借りた例で)
元金 63,919円 利息 15,625円 となります。 ← 当初
毎月返済額も減っていくので元金と利息の割合は少しずつ変わっていきます。金利が上がっているのに、支払額は変わらないので元金と利息の割合が変わるのです。大幅に金利が上昇したとすれば 元金より利息の割合が多くなりなかなか元金が減らないということになります。
たとえば金利が1.5%になった場合 元金 54,355円 利息 37,599円
2万円程が利息に回ってしまいました。この繰り返しで、金利がどんどん上がっていくと元金が減らないということになります。
リスク管理
金利が当初より3%も上がった場合はどうなるのかというと利息のみで、毎月の返済額を超えてきます。約束どおりの金額を毎月しっかりと払っているのに、利息のみしか返済できない、それどころか、利息も払いきれていない。この状態を、未払い利息といいます。
この状態を続けると、元金が全く減らず、返済額ばかりが増えていくという地獄絵図となります。未払い利息、変動金利型で借りた方はうっすら覚えていませんか?
高い金利を払っているならば、今です今ですよ、固定への借り換えは・・・
もっとも、もうひとつ決まりごとがあります
5年後の増額があった場合の上限は25%までという決まり。
79,455円×1.25=99,438円を上限とする。という事。
でも、安心はできません、元金が減りにくくなるのはかわりありません。
ここ何年も金利が上がることが無かったせいで、そんなにあがらないよ。という専門家の意見ももちろんあります。でも、リスクはしっかりと見据えないと後々後悔することにつながります。
住宅支援機構『フラット35』長期固定金利を扱っている国の機関との話
先日住宅支援機構の担当者と会う機会があり、最近の借入動向の話を伺いました。
数年前から比べると、固定金利を選ぶ人が増えてきたのは事実らしいです。しかし、40%ほどの人がリスクのある変動金利を選んでいる事実もあるそうです。そのほとんどの人が、変動金利に潜む危険性(リスク)を十分に知らないで、目先の返済額の低さで決めてしまっているという話でした。特に低収入世帯が多くぎりぎりのラインで借入をする為、金利が上昇すると破綻するリスクが目に見えているとのこと。
自分が返済額増額に対応できるのか、今の返済額がいっぱいなのか。分からない人が多く、滞納や破綻、自己破産、家族崩壊になるようなことがない、十分な理解をして欲しいところです。
私がお付き合いしている数社の銀行のローン担当者も、説明はしていると話しています。もちろん、話をしないと大変なことになりますから。しかし、現状としては顧客対応の時間の問題や、働く環境によって十分なリスクの話はできていないという話がほとんどです。
そりゃそうですよね。
利益が一定して取れる、銀行としてはリスクがほとんどない商品なんですから。わざわざ、リスクを犯す商品をおススメはしないでしょう。全ての銀行がそうではないと思いますが、現実は貸付残高で成績をつけるところがほとんどで、貸し倒れが少ないことが2番目に来るそうです。
まとめ
借りる側もしっかりとした知識を持つことが長い住宅ローンを借りる上で重要なことで、借りて終わりではなく、完済するまでが重要と言うことをどれだけ認識できるかになります。ローン以外にも、光熱費やメンテナンス費用など必ずかかる費用も含めてのローン選びをしていきましょう。
つぎは、固定金利についてメリットデメリットを検証したいと思います。