断熱性能で光熱費が大幅に変わるということがわかりました。
その断熱性能と一緒に叫ばれているのが気密性能。
この気密性能ってどんな性能なの?
気密性能が良いことでのメリットは何?
を記事にしていきます。なんだか深いです。
気密性能 C値 とは
住宅の隙間を数字化したものを気密性能として表しています。
隙間があれば屋外と屋内の空気の出入りがあることになりますね。
冬であれば冷たい空気が出入り、夏は暑い空気が出入りする。
風通しがいい!という言い方もありますが、住宅の寒さ暑さの原因のひとつにもなっています。
気密性能を高めるということは、できるだけ隙間を減らしていく!
つまり、数値を0に近づけていくことになります。
逆に、気密性を悪くするとすれば家の隙間を増やしていくことになります。
そうすると、熱(空気)・土砂ホコリの出入りのほか害虫の出入りも容易になります。
基準は1999年に制定された次世代省エネルギー基準から
建物の隙間から逃げる熱を抑えるため、初めて気密性の基準が導入されました。
それは、気密を良くして熱の出入りを抑えることで室内環境を良くし
冷暖房費を抑える効果が出る=CO2の削減につながるということ。
しかし、2013年に改正された省エネルギー基準には隙間数値が削除されています。
時代に逆行して基準が消える?
なぜ削除したかという文面には・・・
一定程度の気密性が確保される状況にあること、また住宅性能表示制度における特別評価方法認定の蓄積により、多様な方法による気密性の確保が可能であることが明らかになってきたことなどから気密住宅に関わる定量的基準(相当隙間面積の基準)は除外されました。
とあります。ご丁寧に気密の確保ができてきた、あるいはできると書いてます。
このことにより、メーカー側は気密性能をカタログ等に義務のように表記しなくて済むことになります。
気密性能は断熱性能と切っても切り離せない関係とわかっていながらなぜ除外されたのかは憶測がつきますが、
国が圧力に負けるような態度では住宅後進国のレッテルを貼られるのも判る気がします。
よく考えてみればわかりますが、住宅に多くの隙間が開いている状況は、真冬に穴だらけのコートを着ているようなもの。
暖かい素材(家で言う断熱材)を使っていても、穴(住宅で言う隙間)が開いていれば当然寒いです。
もちろん気密性を全く度外視するということにはならないとは思いますが、
目標値が明確に示されないということは、一般消費者からすると、
何を基準にしたらいいのか?がわからず、極端な言い方をすれば建築会社の言いなりのままということになりかねません。
その証拠に次世代省エネ基準時代の気密性能は各社ばらばらで、基準も凄く低い値でした。
日本の大都市圏の関東温暖エリアを参考例にすると
気密性能 C値 基準が 5.0c㎡/㎡
この5.0という数字を住宅で考えると、約45坪の家ではがきサイズの隙間が5枚分ある家となります。
北海道などの寒いエリアでは2.0という厳しい数値が設けられていました。
住宅先進国では、気密性能2.0を切るのは当たり前という状況。
次世代省エネ基準時代(1999年~2013年)の大手各社の気密性能
一条工務店 0.59 全棟実測平均(2×6・在来)
スウェーデンハウス 0.73 全棟実測平均(2×6)
新昭和 未実施 (2×6)
住友不動産 未実施 (2×6)
ミサワホーム 5.0 (2×6)
三井ホーム 未実施 (2×6)
★セキスイハイム 0.99 全棟実測平均 (木質)
トヨタホーム 2.8 (鉄骨)
住友林業 5.0 (木造在来)
タマホーム 5.0 (木造在来)
★セキスイハイム 2.0 全棟実測平均(鉄骨)
大和ハウス 希望実施 (鉄骨)
積水ハウス 未実施 (鉄骨)
へーベルハウス 未実施 (鉄骨)
パナホーム 未実施 (鉄骨)
このデータを見ると面白い住み分けができています。
各社力を入れている部分が違うにせよ、木を使った住宅メーカーは気密性能が高い傾向にあり
鉄骨造のメーカーは気密性能が出にくいことが明白な事実として見えてきます。
その為、セキスイハイムのように鉄と木質と両方を扱うメーカーではどうしても気密に差がでてきます。
これは工法による差で、気密が出にくいことが要因としてあるからです。
”鉄は温められれば膨張し、冷やされれば縮まる”
この理屈から隙間をわざと作らなくては製品として成り立たないのです。
線路のつなぎ目を見たことがありますか?
ながいながいレールなので短いレールを何本もつなげて線路を作ります。
しかし、夏場の灼熱の太陽が線路を温めるので膨張してしまいます。
なのでレールとレールの間は隙間を設けて設置されています。
冬場は、夏場よりレールの隙間が開いているのが分かると思います。
ある住宅メーカーでは、鉄骨を覆うように木材をかぶせているハイブリット工法を出しています。
これは、構造となる鉄骨が熱橋(ねっきょう=外の熱が家の中に伝わる現象)となるのを抑える効果があります。
鉄骨だけだと、どうしても構造材(鉄骨)を熱が伝わり家の中を暑くしたり、寒くしたりしてしまうのです。
その為、鉄骨メーカーの断熱性能は木にはかなわないのです。
世界的に、省エネルギーが叫ばれ地球温暖化対策を率先して取り組まなくてはいけない日本では
数年前から、鉄骨メーカーもこぞって木材を構造にした家づくりに着手してきています。
日本が誇る、プレハブ工法は軽量鉄骨で生産性が高く大量に住居が必要だった時代には重宝されてきました。
作れば売れる、生産が間に合わないという日本の高度成長期の時代は終わり、
時代は過ぎて、健康で快適な住宅を求めるようになってきた今の時代にはそぐわない工法になりつつあります。
住宅を建てる前は気付きませんが、鉄骨で建てた方に話を聞くと・・・
新しい家になったのに、古い木造の家とさほど暑さ寒さが変わらない
冬場 スースーする
冷暖房費が結構掛かる
また、親子で木造と鉄骨を建てた家庭の話を聞いてみると
木造の家で断熱気密がしっかりしている家(親世帯)と
鉄骨でも断熱性は高いメーカーの家の出入りをすると
その差の違いを体感できるそうです。
気密性能がいいとどんなメリットがあるのか?
先述したように、気密性能が良いと熱の出入りを少なくすることにつながり結果冷暖房費が下がる傾向にあります。
そのほかに、一番大事なメリットが存在します。
【 計画換気ができるようになる 】
計画換気ができるようになるとどんなメリットがあるのでしょうか。
常に新鮮な空気の出し入れが行われ、空気のよどみがなくなる
換気システムのフィルターにより 花粉やPM2.5などの有害物質を排除できる
熱交換型を採用して、冷暖房費の削減に効果を発揮する
湿度管理が容易にできるようになる
様々なメリットが多く出てきます。
過度な気密は支障をきたすという方もいらっしゃいます。
その方の意見も分かるのですが、換気システムをしっかりと計画し取り込む量と排出する量を見極めれば
全く問題ないことが分かります。
計画換気ができないのであれば、昔のように窓を開けることになるでしょう。
注意が必要な点
24時間換気システムには性能の差があります。
非熱交換型と熱交換型
非熱交換型は、外気をそのまま取り込むタイプ
暑い外気をそのまま、寒い外気をそのまま屋内へ取り込むので
冷暖房で暑さ寒さを補う必要が出てきます。
熱交換型は、外気を室内の温度に近づけて取り込むタイプ
熱交換効率が50%・70%・90%などのランクがあります。
90%のタイプを冬場で例に取ると
外気0℃ 室内20℃の換気をしていく際に90%熱を回収します。
すると 室内に取り込む新鮮な空気は18℃にして室内へ
室内で汚れた空気は2℃にして室外へ放出します。
なので効率が高いほど、冷暖房にかかる負荷が少なくなるので光熱費の削減につながるようになります。
この温度を回収する要は、熱交換素子といういくつものトンネルのようなところを空気が通る経過で
熱を回収するスグレモノ。
湿度交換ができるものも開発され、できれば採用したいひとつです。
私の家では湿度交換71%というのを採用しています。
通年、家の中はカラッとして、湿度管理が容易なため昔ダニに悩まされた時期が嘘のような快適さです。
ダニが干からびて生きていられなくなる湿度は47%以下を保つことです。
繁殖もできません。
ダニについての記事は別ページにて紹介しています。
まとめ
断熱だけ良くても・・・
気密だけよくても・・・
切っても切り離せない断熱と気密の関係
ものすごい暖かい毛皮でベストをつくる
寒さ対策としては意味があまりない、肌が露出してしまうんですもの。
この毛皮の部分が断熱ですね。そして気密は肌が露出しないということ。
つまり、どんなにいい断熱材を使おうとも、隙間の開いた気密の取れていない家はベストと同じ
暖かさが逃げていく原因を作っているということ。
でも、国が基準をはずしてしまったんですよね。
気密を良くするには、施工技術(腕)がモノを言います。
気密測定を行ってくれるメーカー
もしくは、第三者機関で測定を許可してくれるメーカーでお願いするのが肝です。
各ハウスメーカーの住宅性能を一気に知る方法!
最新の住宅性能は、各メーカーのテクノロジーガイド等に記載がされています。
テクノロジーガイドは、最新性能を紹介する場ともなっていますが、メーカーの「性能の優劣」を数字として可視化してしまうという点で、劣勢に立たされているメーカーはあまり重要視したくない点かもしれません。
しかし、2020年省エネ義務化を控えた今、消費者としては是非とも知りたい所です。
各メーカーのテクノロジーガイド(メーカーにより呼び名は違う)は、資料請求で一気に揃えてしまうのが賢い方法です。
そして、この資料請求の後の、各メーカーの動き方も住宅選びの基準にしてみてはいかがでしょうか。
メーカーが取ってくる連絡の手段は、訪問、電話、メール、ダイレクトメールのいづれかです。
しっかりとしたメーカーであれば、資料を郵送した後、届いたころを見計らい電話確認が入ります。
「資料請求ありがとうございます。資料はご覧いただけましたか?」
こんな会話が一般的です。
あなたは、
「比較検討させていただきます」
とお答えすれば、問題ありません。
また、ハウスメーカーからのメールとダイレクトメールは、情報を貰うための手段でもあるので、バンバン貰うようにしています。
住宅メーカーとしても、メールはイベントなどのお誘いに活用してきますし、国の政策などで、補助金や税金優遇などの情報は、メーカーの作ったしっかりとした資料としてダイレクトメールが貰えます。
資料請求の方法は簡単
こちらの持ち家計画のバナーをクリックします。
①クリックした後、現れた画面にしたがい、3つのステップをこなします。
- STEP1.土地について
- STEP2.建築予定の都道府県
- STEP3.建築予定の市区群
②続いて、「ハウスメーカー・工務店を探す」をクリック
すると、建築地に合った資料請求できるハウスメーカーや工務店が自動で絞り込まれます。
欲しくないメーカーや工務店がある場合は、資料請求の✅を外していきましょう。
それが終わったら、下までスクロールします。
すると、「次へすすむ」が現れるのでクリックします。
③画面は変わり、お客様情報の入力画面になりますので、届けてほしい「あなたの情報」を入力して
「次へすすむ」をクリックして、内容を確認します。
内容があっていれば、送信して終了です。
簡単ですね。
これで、各ハウスメーカーや工務店に足を運んで、その都度住所氏名電話番号を書かされる心配はありません。
約1週間の間に、各ハウスメーカーや工務店から資料が届きます。
間違いのない家づくりの始まりは、ここから始まります。
右も左もわからないまま、住宅展示場へ足を運んでも、事前知識がないと、話についていけません。
まずは、下記から資料請求をしてみてください。
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