住宅ローンを組むとき、返済ができる金額を設定するというのは、前提としてありますが、一般的には年収の25%以内に収めるのが良いとされています。
では、実際に住宅ローンを組んでいる人は、本当に25%以内に収めるようにしているのでしょうか?
今回は、住宅金融支援機構の商品「フラット35」を利用している人のデータから、本当のところどうなのか?を見ていきたいと思います。
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住宅ローンを借りた人の世帯年収分布
住宅金融支援機構(フラット35)を利用している人は、どのくらいの世帯年収があるのか?のデータが、公開されています。
世帯年収 | |
1200万~ | 4.5% |
1000~1999 | 3.5% |
800~999 | 8.2% |
600~799 | 19.9% |
400~599 | 40.8% |
~399 | 23.1% |
フラット35を利用している世帯で一番多い世帯年収層は、400万円から600万円未満の層で40.8%となっています。
400万円~600万円未満の層を中心に、前後する世帯年収の層800万円未満までで、83.8%を占めています。
利用者全体での平均世帯年収は、598万円です。
住宅ローン返済負担率分布
上記でフラット35を利用している世帯年収が分かったと思いますが、その利用者が、年収に対してどの程度の割合(返済負担率=返済比率)を住宅ローンにあてているのでしょうか。
返済負担率とは
返済負担率(返済比率)は、年収に占める年間返済額の割合のことを言っています。
住宅ローンを組むときに、いくらまでなら返していけるか?の基準は、各金融機関の審査によって変わってきます。
例えば、フラット35の審査基準は以下の通り一律で決まっています。
- 世帯年収400万未満は30%以下
- 世帯年収400万以上は35%以下
この返済負担率の中には、住宅ローン以外の返済も含まれますので、その他借入が多いと、住宅ローンで借り入れができる金額が減ることになります。
これは、どの金融機関も同じです。
住宅金融支援機構の調査データを見ていきましょう。
グラフ画像右側の融資区分全体の2017年度(最新)を見ていきます。
見ずらいので、下記に書き起こしています。
【2017年度全体割合(融資区分)】
返済負担率の分布 | |
30%~ | 8.0% |
25~29.9% | 23.5% |
20~24.9% | 25.3% |
15~19.9% | 23.8% |
10~14.9% | 14.2% |
~9.9 | 5.2% |
実際に借入をしている人の返済負担率の分布を見てみると、3/4近くの世帯が、年収に対して15%~29.9%の返済負担率で借りています。
一般的に言われている、25%以下にするという点で見ると、25%以上の返済負担率で借り入れをしている世帯が、31.5%もいることが分かります。
逆に言うと、一般的と言われている25%以下を守っている世帯が7割弱いるということです。
【返済負担率別】年間返済額と毎月の支払額
【参考例】
年収400万から700万円までの世帯で、返済負担率別に年間返済額と毎月の支払い額をみていきます。
参考にしてみてください。
400万円(世帯年収) | ||
返済負担率 | 年間返済額 | 毎月支払額 |
30% | 120万円 | 10万円 |
25% | 100万円 | 8.4万円 |
20% | 80万円 | 6.7万円 |
15% | 60万円 | 5万円 |
10% | 40万円 | 3.4万円 |
450万円(世帯年収) | ||
返済負担率 | 年間返済額 | 毎月支払額 |
30% | 135万円 | 11.3万円 |
25% | 112.5万円 | 9.4万円 |
20% | 90万円 | 7.5万円 |
15% | 67.5万円 | 5.7万円 |
10% | 45万円 | 3.8万円 |
500万円(世帯年収) | ||
返済負担率 | 年間返済額 | 毎月支払額 |
30% | 150万円 | 12.5万円 |
25% | 125万円 | 10.5万円 |
20% | 100万円 | 8.4万円 |
15% | 75万円 | 6.3万円 |
10% | 50万円 | 4.2万円 |
550万円(世帯年収) | ||
返済負担率 | 年間返済額 | 毎月支払額 |
30% | 165万円 | 13.8万円 |
25% | 137.5万円 | 11.5万円 |
20% | 110万円 | 9.2万円 |
15% | 82.5万円 | 6.9万円 |
10% | 55万円 | 4.6万円 |
600万円(世帯年収) | ||
返済負担率 | 年間返済額 | 毎月支払額 |
30% | 180万円 | 15万円 |
25% | 150万円 | 12.5万円 |
20% | 120万円 | 10万円 |
15% | 90万円 | 7.5万円 |
10% | 60万円 | 5万円 |
650万円(世帯年収) | ||
返済負担率 | 年間返済額 | 毎月支払額 |
30% | 195万円 | 16.3万円 |
25% | 162.5万円 | 13.6万円 |
20% | 130万円 | 10.9万円 |
15% | 97.5万円 | 8.2万円 |
10% | 65万円 | 5.5万円 |
700万円(世帯年収) | ||
返済負担率 | 年間返済額 | 毎月支払額 |
30% | 210万円 | 17.5万円 |
25% | 175万円 | 14.6万円 |
20% | 140万円 | 11.7万円 |
15% | 105万円 | 8.8万円 |
10% | 70万円 | 5.9万円 |
まとめ
返済負担率(=返済比率)は、低いほうが楽になるのは確かです。
今だけの状況で判断せず、生活するうえでこれからかかるであろう費用や、組むかもしれないローン(車等)を考慮する必要があります。
共働き世帯であれば、一人の収入がなくなったときの備えは大丈夫か。
教育費にかかる資金は賄えるのか。
今回のデータでも、7割弱の世帯が、返済負担率25%以下になっていることからも、将来への余力を残している現状がうかがえます。
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