2020年の省エネルギー基準義務化に向け、国はハウスメーカーに「ZEH住宅(ゼロ・エネルギー・ハウス)」の目標を50%以上にするよう半強制的に掲げさせています。
そのため、各社ホームページ上に2020年度までのZEH住宅目標を〇〇%にするとうたっています。
そんなことから住宅展示場で、どこのハウスメーカーに行っても、同じようなことを言われます。
「これからの住宅は、ZEH住宅でしょう!」( ・`ω・´)キリッ
このように言われるのには背景があったんです。
では、本当にこれから住宅を建てる人は「ZEH住宅(仕様)」にするべきなのでしょうか?
ZEH仕様にすると、予算オーバーになってしまうんですよね。
まあ、無理をすればできなくもないんですけど。
本当にZEH仕様にするべきなのでしょうか?
切実な悩みですよね。
今回の記事は、このような悩みにお答えしていきます。
2019年以降もZEH住宅にする必要はない!
答えとしては「無理してまでZEH住宅にする必要はない」です。
もちろん、ZEH仕様にすることでメリットも多くでてきますが、予算ありきの考えです。
ZEH住宅(仕様)に必要な3つの要素とは
ZEH住宅にするには、大きく3つの要素を満たさなくてはいけません。
- 断熱性能を高める(高性能断熱材や厚みをもたせる)
- 高効率設備の導入(省エネ性の高い給湯器等)
- 創エネ設備の導入(太陽光発電等発電設備)
ZEHとは、ゼロ・エネルギー・ハウスの略。
- 断熱性能を高めて、できるだけ消費エネルギーを少なくすること
- 高効率設備を導入して、さらに消費エネルギー自体を少なくする
- 太陽光発電等でエネルギーを作り出し、結果エネルギー収支をゼロにする
このような家です。
これらすべてを取り入れると、エネルギー収支がゼロになる理想的な家が出来上がるわけですが、デメリットとしては、住宅にかける予算を上げなくてはいけない点が出てきます。
- 高性能断熱材を採用する費用
- 高効率設備を採用する費用
- 太陽光発電等を採用する費用
これらを採用することで、住んでからランニングコスト(光熱費)がゼロになるので、恩恵は受けられるのですが、そもそもの初期費用が高すぎては、手も出せません。
そのため、ZEH住宅を購入する人に、国は「補助金」を設定しました。
国の補助金額については、「環境省ホームページ」もしくは「Sii 環境共創イニシアチブホームページ」で現在の補助金額を確認してください。
しかし、補助金よりも住宅の性能を高める費用(ZEH住宅にする費用)のほうが高いため、すべての人に最適な案とは言えません。
これからの住宅に必須なものは「高断熱性能」
ZEH住宅にする必要はありませんが、最低限「高断熱」の仕様にすることをおすすめします。
高効率設備は、機械ですから、将来寿命が訪れ交換する時期がやってきます。はじめから導入できればそれに越したことはありませんが、優先順位としては低くなります。
これと同じく「太陽光発電システム」も後付けが可能な設備、ということから、最優先ではないことが分かるでしょう。
しかし、高断熱化は、住宅を建築する時点で施工するため、後からできるとは言え、莫大な費用がかかります。
つまり、初めに断熱施工はしておくべきということです。
2020年には省エネルギー基準が義務化される
2018.12.6追記
※戸建て住宅は省エネ基準適合義務化から外れそうです。国土交通省は2020年省エネルギー基準適合義務化「延期」の方針を示した【2018.12.6住宅産業新聞】で詳しく紹介していますが、延期されそうです。
さらに、2020年には省エネルギー基準が義務化されます。
なので、今から建てるのならば、義務化される基準を超えた断熱性能を満たしておいたほうが良いということ。
つまり、2019年に建築される住宅は、法律の外であるので基準が満たされていなくても全く問題なし。
しかし、2020年以降に建築される住宅は、すべて法律に沿ったものになるので、その時点で2019年に建築された低性能な住宅は、資産価値が駄々下がりすることになります。
あまり考えたくはありませんが、住宅ローンが厳しく、家を手放すことになったとしましょう。
しかし、建てた住宅は2020年の基準を満たしていないので、周辺相場よりもかなりダウンした価格で勝負しなくてはいけなくなります。
また、仕事の都合で転勤なんて話はよくあると思います。
そんなときも、住宅を手放す可能性は秘めています。
基準を満たしている住宅と、満たせていない住宅。買うとしたらどっちを選びますか?
そういうことでしょう。
せっかく今から大枚はたいて家を建てるなら、2020年の基準を満たした住宅をおすすめします。
低断熱と高断熱の違い
2020年に義務化される基準の断熱性能は担保しておいたほうが良いと、話をしてきましてが、それでも「家を売るつもりもないから、わざわざ性能を上げて高い住宅を買う必要はない。」
そう思う人もいるでしょう。
しかし、断熱性能が低いことで2つのデメリットが起こります。
断熱性能が低いことで起こる2つのデメリット
断熱性能が低い住宅におこること
- 光熱費が高くなる
- 健康問題が降りかかる
です。
住宅の断熱性能と光熱費、特に冷暖房費は密接にかかわっています。
省エネルギー性を表す、住宅の断熱性能は「Q値」という基準で表すことができます。
このQ値がどのくらい光熱費に関係してくるか?を見てみましょう。
断熱性能と光熱費は比例!?
高気密高断熱住宅のトップを走る「一条工務店」では、Q値による光熱費の違いを数字化しています。
この絵に出てくる、地域は次世代省エネ基準の地域区分です。
Q値=2.7の、Ⅳ地域は関東あたりを示し、2.7が断熱性能の基準となっています。
多くのハウスメーカーが、この地域で建てる家は2.7程度の性能で建築しています。
つづいて、一条工務店のi-smarⅡはというと、Q値0.51という数字を出しています。
この違いは、絵にもあるように「冷暖房費」の違いとして現れてきます。
つまり、基準を満たしてはいるものの、断熱性能の差で、電気代が20万円/年も変わることになります。
Q値2.7の住宅とQ値0.51の住宅とでは、30年間住むと「600万円以上」の差につながります。
いかに「断熱性能が重要か?」が分かるでしょう。
参考記事
一条工務店は高いけどなぜ選ばれるの?断熱性能の違いで600万円以上の違い
しかもこの基準Q値2.7は、努力目標となっており、必ず守らなくてはいけない数値ではない。
ということにも注目です。
2020年までは、義務化されていない指標なので、守る必要もない、それ以上のQ値の家を購入してしまう危険性もあるということです。
こういった住宅は、立地はいいけど安く買えるような「建売住宅」によくあります。実際に、私のつながりがある不動産屋さんの販売している建売の一部は「Q値でいうなら、4.0を超えているんじゃないかな?」と普通に話しています。
また、「こういった家を買う層は、断熱性能よりも立地重視だから」とも言っています。
購入してから、「寒い」「暑い」と気づくのでは、遅いのです。
安く購入できても、あとから光熱費という別の費用が掛かってしまっては元も子もありません。
このような断熱性能が低い住宅は、健康問題にもつながります。
断熱性能が低いことをカバーするのには、それなりの冷暖房を使うことになります。
しかし、上記でも話したように、冷暖房費は大きなお金を失います。
すると、必要な部屋だけを冷暖房することになりますが、それが健康問題につながります。
俗に言う「ヒートショック」です。
冬場に多いヒートショックは、暖房の効いた部屋と、寒い部屋もしくはトイレやお風呂などに移動した際にも起こります。
特に、入浴中のヒートショックによる年間死亡者数は、全国で1万7千人にも上り、交通事故死の4倍以上にもなります。
年間の交通事故死者数よりも、家の中でヒートショック死する人のほうが多いのが現状。
どれだけ、低性能で寒い住宅が危険なのかが分かります。
高気密高断熱住宅の探し方
先ほど紹介している「一条工務店」も高断熱住宅のハウスメーカーです。
しかし、費用的には高い部類に入ることもあり、そのほかのハウスメーカーも検討しなくてはいけなくなる場合があるでしょう。
私のリサーチでは、ローコスト住宅の2社が候補にあがってきます。
- アイフルホーム
- クレバリーホーム
の2社です。
この2社の内容は、一条工務店を含めた3社を徹底比較した記事一条工務店と同じ断熱性能のローコストハウスメーカー2社と徹底比較がありますので是非読んでみてください。
この2社は、一条工務店同様のトップクラスの断熱性能を実現している分、決して費用が安いとは言い切れません。
ここまでの性能を実現しなくとも、もう少し手前の性能でローコストを実現することもできます。
そんなハウスメーカーや工務店を探す場合は、LIFULL HOME’Sを利用すると便利です。
LIFULL HOME’Sは、一括資料請求サイトですが、資料請求するときにどんな特徴のハウスメーカーを探すのか?という選び方ができます。下記のような画面です。
この赤丸を付けた項目から入っていくと、建築地に合った「高気密・高断熱住宅」「ZEH・NearlyZEH住宅」を建築できるハウスメーカーや工務店を見つけることができます。
ここで見つけた会社に資料をもらうと、どんな断熱性能になっているか?が一目でわかります。
ここで注意ですが、高気密・高断熱住宅を提供していないハウスメーカーや工務店に、いくら高断熱化を伝えてもその重要性が分かっていないことが多いので、そういった会社には本当の高断熱住宅は作れないと思ったほうが良いでしょう。
いま、国が省エネな高断熱住宅に舵を切ったことで、どこの会社でも高断熱住宅を提供できると言うでしょう。
ただ、単純にお金をかければ高性能な断熱材を仕入れることはできますが、それをうまく施工できるかどうか?は専門性が問われるのです。
高断熱化することが、どれほど重要かを知っている会社は、すでに高断熱住宅を提供しています。そういった会社を選択するのが間違いない方法です。
まずは、あなたの建築する地域に、高断熱住宅を提供できる会社があるかどうかを確かめましょう。そして、その会社が高断熱にどれほど情熱を傾けているかを見極めましょう。国が言っているからではなくです。
注文住宅を検討している方は、平均9社以上のカタログ請求をしています。
[…] 【2019年以降の住宅】これから家を建てるなら「ZEH住宅」にするべき!?の答え […]
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