2019年10月の消費税増税が迫ってきました。
「何言っているの?まだ先じゃない?」
そう思っている人は、注意が必要です。
注文住宅では、6ヶ月前倒しで消費税が上がるんですよ。
つまり2019年4月以降の請負契約だと10%課税!(2019年10月までに引渡を受ければ8%)
「 工工エエェェ∑(;゚Д゚ノ|、急がねば・・・。」
いや、でもこれから紹介する、消費税増税の優遇制度を知ったら、ゆっくりしていてもいいと思うかもしれませんね。
消費税が10%に増税された場合の【優遇制度】(景気対策)として3つの大きな柱が見えてきました。
- 住宅ローン減税3年間延長
- すまい給付金拡充
- 住宅エコポイント復活
消費税増税2%に対して、これだけの優遇制度が出てきちゃうと「増税後に買ってね!」といわんばかりの内容です。
以下で計算しますが、3つの制度が確定すると、消費税分以上の減税になるかもしれません。
おすすめ参考記事
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住宅ローン減税3年間延長の内容とは
住宅ローン減税制度とは、平成26年の消費税引き上げに合わせて拡充された制度です。
詳しくは下記、国土交通省すまい給付金より引用した内容を確認ください。
住宅ローン減税制度は、住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、取得者の金利負担の軽減を図るための制度です。毎年末の住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除されます(住宅の取得対価の計算においてはすまい給付金の額は控除されます)。また、所得税からは控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されます。
引用:国土交通省すまい給付金
簡単に言うと、増税後に家を買った人には、税金を控除するよ!っていうことだよね。
そう!消費税が8%の今は「10年間」のローン減税なんだけど、今回発表されたのは「13年」に延長しようって話なんだ。
住宅ローン減税【3年延長】の内容
3年延長の住宅ローン減税の対象は、2019年10月1日から2020年末までに入居する住宅。
打ち合わせや建築に時間がかかる注文住宅は、2019年4月請負契約分から減税対象となります。
増税がされた後、2年後とか3年後とかでは、適用されないってことなんだね。
そうなんだ。
あくまで、増税後の冷え込みを回避するための政策ってこと。
2020年末までに入居したことの証明は、たぶん住民票の移動になるかな。
※詳しくは、国土交通省のリリースをご覧ください。
今まで通り10年間は同じ制度内容になりますが、11年目以降は下記で示した2つの方法どちらか少ない方の額が減税されることになります。
- 建物価格の2%を3等分した額
- 10年目までの仕組みと同じ方法で計算した額
【例】3000万円の建物として3年延長分を計算してみると
例えば3000万円(建物価格)の住宅ローンを組んだ場合で計算してみましょう。
分かりやすいように毎年100万円返済した内容とします。
年末残高 | 【現状案】住宅ローン減税控除額上限 | 【新案】3等分 | |
1年目 | 2900万円 | 29万円 | 左に同じ |
2年目 | 2800万円 | 28万円 | 〃 |
3年目 | 2700万円 | 27万円 | 〃 |
4年目 | 2600万円 | 26万円 | 〃 |
5年目 | 2500万円 | 25万円 | 〃 |
6年目 | 2400万円 | 24万円 | 〃 |
7年目 | 2300万円 | 23万円 | 〃 |
8年目 | 2200万円 | 22万円 | 〃 |
9年目 | 2100万円 | 21万円 | 〃 |
10年目 | 2000万円 | 20万円 | 〃 |
11年目 | 1900万円 | 19万円 | 20万円 |
12年目 | 1800万円 | 18万円 | 20万円 |
13年目 | 1700万円 | 17万円 | 20万円 |
この例の場合、新制度の3等分した額よりも、旧制度のままのほうが少ない金額となるので、従来通りの減税となります。
増税後に追加で減税される金額は、上限いっぱいもらったとして54万円になるのね。
3000万の住宅を購入した場合、8%だと240万だけど、10%だと300万だから60万消費税がのしかかるんだ。それを取り返すまではいかないってことかな。
購入する家の価格により、計算がかわってくるので、取り返せる、取り返せないは一概には言えないのが現状です。
また、購入金額が増えればそれにかかる金利等も若干ではありますが増えることでしょう。
またこれらの金額は、上限をしめしています。支払っている所得税+住民税以上に戻ることはないので注意が必要です。支払っている所得税以上に減税額が多い場合は、翌年の住民税から減税される仕組みになっています。
しかし、住民税も全額とはならず、現在の上限は136,500円となっています。
また、申請は世帯単位ではなく、個人単位となりますので、夫婦で住宅ローンを組まれた場合は、2人が申請する対象となります。
なお、減税の上限は変わりません。
住宅を購入するとなると、建物以外にも消費税は掛かります。
消費税ポイント!【住宅購入でかかる消費税一覧】
- 建物
- 仲介手数料
- 銀行事務手数料
- 司法書士報酬等
※土地購入には消費税は掛かりませんが、仲介手数料には消費税がかかります。
関連記事
住宅ローン減税は、控除額が余っていれば、所得税のほか、住民税からも引くことが可能です。詳細は、住宅ローン控除で所得税から引ききれなかった控除額は翌年の住民税から引かれるを参照下さい。
すまい給付金の拡充内容とは
すまいの給付金は、2018年の今現在でもある制度ですが、消費税が10%に上がると、給付金の対象が広がります。
すまい給付金は、消費税率引上げによる住宅取得者の負担をかなりの程度緩和するために創設した制度です。住宅ローン減税は、支払っている所得税等から控除する仕組みであるため、収入が低いほどその効果が小さくなります。すまい給付金制度は、住宅ローン減税の拡充による負担軽減効果が十分に及ばない収入層に対して、住宅ローン減税とあわせて消費税率引上げによる負担の軽減をはかるものです。このため、収入によって給付額が変わる仕組みとなっています。
ざっくり言うと、消費税8%よりも、10%の時のほうが対象となる幅が広がります。
消費税8%で購入すると、収入の目安が510万円以下の人が対象だったよね。それが変わるの?
そうなんだ、消費税が10%になると、収入の目安が775万円以下の人にまで拡大されるから、対象外だった人も申請ができるようになるんだ。
しかも、給付基礎額が増額になるよ。
消費税8%の場合 | |
給付基礎額 | 収入目安 |
30万円 | 425万円以下 |
20万円 | 475万円以下 |
10万円 | 510万円以下 |
消費税10%の場合 | |
給付基礎額 | 収入目安 |
50万円 | 450万円以下 |
40万円 | 525万円以下 |
30万円 | 600万円以下 |
20万円 | 675万円以下 |
10万円 | 775万円以下 |
すまいの給付金も、世帯単位ではなく個人単位になるので、夫婦で申請することが可能です。
しかし、登記上の持ち分を保有しているのが大前提となります。
今回の趣旨とはずれるので、条件等詳細は省きますが、国土交通省すまい給付金で確認ができるので、住宅取得を検討している人は見ておくといいですね。
目安以上の人も確認をしたほうが良いでしょう。参考:国土交通省すまい給付金
【関連記事】
住宅エコポイントの復活って
今回、話題に上がっているのは「省エネや耐震化に資するポイント制度」です。
これは、以前消費税増税されたあとに決定された「省エネ住宅ポイント」という制度に近いものです。
一定の基準を満たした住宅には、ポイントという形で、住宅の省エネ化に使えるお金のようなものがもらえていました。
今回は、「省エネや耐震化に資するポイント制度」という名称(仮)になっているので、キーワードは、「省エネ」と「耐震」でしょう。
この制度内容に合致した住宅には、「ポイントを上げるので、費用の足しにしてね。」というものです。
前回の省エネ住宅ポイントは、30万ポイントだったよね。
そう、そのポイントは省エネ化するのに必要になる、例えば断熱材のグレードアップ費用に充てることができたんだよね。
今回も30万ポイントくらいでるとなれば、増税後に購入するのもありになるよね。
そうなんだけど、前回の省エネ住宅ポイントも、増税後すぐには決定していなかったのを覚えている?
前回8%に消費税が上がったのが、2014年4月1日でした。しかし、あまりにも業界が冷え込んだために、急遽2014年12月27日の閣議決定で、省エネ住宅ポイントが決まりました。
今回、「住宅ローン減税の3年延長」と、「すまい給付金の拡充措置」を行うことで、駆け込み需要や増税後の冷え込みが無ければ、「省エネや耐震化に資するポイント制度」はもしかしたら使われないかもしれませんね。
おすすめ参考記事
【住宅エコポイント2019】復活!?前回の制度内容から学ぶ増税対策3つのポイント
【追記】
新しい住宅ポイント制度が発表されました。下記をご覧ください。
【次世代住宅ポイント制度】2019年消費税増税に合わせ新築上限35万ポイントで予算盛込
まとめ
人生で一番大きな買い物になる「住宅」。
できるならお得に賢く買い物をしたいものです。
国は、消費税増税後の冷え込みを意識して、上記で紹介した3本の柱を用意しようとしています。
2018年12月12日現在、すべてが確定した内容ではありませんので、今後の動向を注意深く見守る必要があるでしょう。
この記事でも、新しい情報が入り次第更新していきます。
次に読んでおいてほしいのが、住宅価格は年々上昇しているという記事です。ローン減税が3年延びても意味がないかもしれません。詳しくは下記記事をご覧ください。
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