先日書いた記事、住宅ローン減税3年延長で調整!すまい給付金拡充や住宅エコポイント復活すると住宅は2019年消費税増税後が買いか!?では、消費税増税後のほうが「お買い得」になるかのようになりましたが、本当にそうなのでしょうか?
そして、少し前に書いた記事、国土交通省は2020年省エネルギー基準適合義務化「延期」の方針を示した【2018.12.6住宅産業新聞】では、省エネルギー基準の義務化が延期されることをお伝えしたわけですが、延期の理由の一つに、
- 基準適合の対応が難しい事業者が相当数いること
がありました。
いま義務化すると、対応できない業者が多くいて、大変な騒ぎになる可能性があるため延期するだけであって、省エネ化をしなくていいわけではないというもの。
省エネ化を推進することは今後も必要で、それにはグレードアップする費用がかかるということです。もちろん、住宅の性能面・資材高等、価格が上がらざるを得ない部分もありますが、購入する側として、必ずしも良い事ばかりではありません。
駆け込み需要による増税後の冷え込みをなくすために、多くの優遇政策がとられるわけですが、その着眼点は主に消費税増税分の2%についてです。
でも消費税をかける大本の金額が、今より増えてしまったら、2%どころの騒ぎじゃなくなるわけです。
つまり、今なら3000万円で買える家が、増税後に100万円上がってしまったら、結果持ちだしは多くなるってこと?
そうなんだよ、優遇政策で、税金が戻ってきたり、ポイントがもらえたりしても、追い付かないんじゃないかな?って思うんだよね。
今回は、住宅産業新聞に記載のある「主要ハウスメーカー」の戸建て単価・床面積の実績(2010年-2017年)を参考に
- 増税後まで住宅購入を待ったほうが良いのか?
- 増税がされる2019年4月まで(経過措置)に請負契約をしたほうが良いのか?
を数字として見ていきたいと思います。
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大手ハウスメーカーの「2017-2010」平均価格・坪単価推移
毎年、住宅産業新聞では、決算内容から、戸建住宅の平均単価をまとめています。
決算内容からなら、リアルな数字だよね。ちょっと楽しみ。
ハウスメーカーに抱く、イメージが変わるかもね。
2018年にまとめられた、2017年度の主要7社の【戸建て単価・床面積の実績】は下記のようになっています。
住宅産業新聞で発表されたデータを利用して、過去の2010年からどのくらいの単価上昇になっているのかを見てみましょう。
下記では、ハウスメーカー別に表記しています。
【表記内容】
- 平均価格上昇額
- 平均坪単価上昇額
- 年度
- 平均価格(万円)
- 平均床面積(坪)
- 平均坪単価(万円)
※平均床面積は、平米(㎡)表記を3.3で割った、坪表記としています。
三井ホームの2017-2010平均価格・坪単価推移
三井ホームは、2010年からの過去8年間で・・・
- 平均価格は660万円上昇
- 坪単価は、14.0万円上昇
三井ホーム | |||
年度 | 平均価格(万円) | 平均床面積(坪) | 平均坪単価(万円) |
2017 | 4,020 | 41.4 | 97.2 |
2016 | 4,000 | 41.6 | 96.1 |
2015 | 3,954 | 42.1 | 93.9 |
2014 | 3,820 | 41.7 | 91.6 |
2013 | 3,660 | 41.6 | 87.9 |
2012 | 3,480 | 40.9 | 85.1 |
2011 | 3,490 | 41.3 | 84.5 |
2010 | 3,361 | 40.4 | 83.2 |
この勢いで行くと、坪単価100万円もすぐそこに来ているのかもね。
高級住宅の代名詞が得られることになるから、狙っているかもね。
住友林業の2017-2010平均価格・坪単価推移
住友林業は、2010年からの過去8年間で・・・
- 平均価格は711万円上昇。
- 坪単価は、21.5万円上昇。
住友林業 | |||
年度 | 平均価格(万円) | 平均床面積(坪) | 平均坪単価(万円) |
2017 | 3,820 | 39.0 | 97.9 |
2016 | 3,780 | 39.7 | 95.2 |
2015 | 3,770 | 40.4 | 93.3 |
2014 | 3,580 | 40.2 | 89.0 |
2013 | 3,460 | 40.6 | 85.2 |
2012 | 3,340 | 40.5 | 82.5 |
2011 | 3,270 | 40.5 | 80.7 |
2010 | 3,109 | 40.7 | 76.4 |
2017年度は、三井ホームより高い坪単価になったんだね。
4000万出さないと、買えない家になるのかな。
積水ハウスの2017-2010平均価格・坪単価推移
積水ハウスは、2010年からの過去8年間で・・・
- 平均価格は636万円上昇。
- 坪単価は、15.8万円上昇。
積水ハウス | |||
年度 | 平均価格(万円) | 平均床面積(坪) | 平均坪単価(万円) |
2017 | 3,807 | 41.7 | 91.3 |
2016 | 3,729 | 41.9 | 88.9 |
2015 | 3,700 | 42.5 | 87.1 |
2014 | 3,566 | 42.4 | 84.0 |
2013 | 3,450 | 42.7 | 80.8 |
2012 | 3,344 | 42.3 | 79.1 |
2011 | 3,311 | 42.1 | 78.6 |
2010 | 3,171 | 42.0 | 75.5 |
こう見ると、積水ハウスも安く感じるようになるよ。
戸建て販売棟数は、第2位の一条工務店に迫られているけど1位を死守しているんだよね。
ヘーベルハウスの2017-2010平均価格・坪単価推移
旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)は、2010年からの過去8年間で・・・
- 平均価格は224万円上昇。
- 坪単価は、13.4万円上昇。
旭化成ホームズ(ヘーベルハウス) | |||
年度 | 平均価格(万円) | 平均床面積(坪) | 平均坪単価(万円) |
2017 | 3,296 | 34.7 | 94.9 |
2016 | 3,254 | 34.9 | 93.1 |
2015 | 3,074 | 36.1 | 85.2 |
2014 | 3,091 | 36.7 | 84.3 |
2013 | 3,054 | 36.5 | 83.7 |
2012 | 3,047 | 36.9 | 82.6 |
2011 | 3,073 | 37.4 | 82.3 |
2010 | 3,072 | 37.7 | 81.5 |
ヘーベルハウスも高いイメージしかないけど、他に比べると床面積は少ないんだね。
たとえ小さくなったとしても、頑丈な家が一番って特徴を押し出している感じだね。
大和ハウスの2017-2010平均価格・坪単価推移
大和ハウスは、2010年からの過去8年間で・・・
- 平均価格は697万円上昇。
- 坪単価は、16.7万円上昇。
大和ハウス工業 | |||
年度 | 平均価格(万円) | 平均床面積(坪) | 平均坪単価(万円) |
2017 | 3,590 | 40.6 | 88.5 |
2016 | 3,430 | 40.1 | 85.4 |
2015 | 3,370 | 39.9 | 84.5 |
2014 | 3,270 | 40.2 | 81.3 |
2013 | 3,110 | 39.9 | 77.9 |
2012 | 3,010 | 39.9 | 75.4 |
2011 | 2,970 | 40.2 | 73.9 |
2010 | 2,893 | 40.3 | 71.8 |
大和ハウスも、名だたるメーカーだから、90万代かと思ったけど、切っているね。
大和ハウスは、戸建てに限らなければ、積水を抜いて1位の売り上げだから見逃せないよ。
セキスイハイムの2017-2010平均価格・坪単価推移
セキスイハイムは、2010年からの過去8年間で・・・
- 平均価格は127万円上昇。
- 坪単価は、6.0万円上昇。
積水化学工業(セキスイハイム) | |||
年度 | 平均価格(万円) | 平均床面積(坪) | 平均坪単価(万円) |
2017 | 3,110 | 37.2 | 82.7 |
2016 | 3,060 | 37.2 | 82.3 |
2015 | 3,030 | 37.5 | 80.8 |
2014 | 3,030 | 38.1 | 79.6 |
2013 | 3,060 | 38.4 | 79.7 |
2012 | 3,000 | 38.8 | 77.3 |
2011 | 2,970 | 38.7 | 76.8 |
2010 | 2,983 | 38.9 | 76.7 |
このハウスメーカーの中では、8年間の単価上昇が一番低いんだね。
もっと高いと思っていたけど、値引き多いみたいだからかな。
ミサワホームの2017-2010平均価格・坪単価推移
ミサワホームは、2010年からの過去8年間で・・・
- 平均価格は234万円上昇。
- 坪単価は、7.8万円上昇。
ミサワホーム | |||
年度 | 平均価格(万円) | 平均床面積(坪) | 平均坪単価(万円) |
2017 | 2,769 | 36.7 | 75.4 |
2016 | 2,728 | 36.8 | 74.1 |
2015 | 2,712 | 37.1 | 73.1 |
2014 | 2,677 | 37.2 | 72.0 |
2013 | 2,670 | 37.8 | 70.7 |
2012 | 2,621 | 37.8 | 69.3 |
2011 | 2,569 | 37.7 | 68.2 |
2010 | 2,535 | 37.5 | 67.6 |
ミサワも床面積が思ったより大きくないのがびっくり。
蔵を採用する人が多いからかな?どうなんだろう?
今じゃ、トヨタブランドだもんね。
ヤマダホームの2017-2010平均価格・坪単価推移
ヤマダホームは、2010年からの過去8年間で・・・
- 平均価格は388万円上昇。
- 坪単価は、9.9万円上昇。
ヤマダホーム(旧ヤマダエス・バイ・エル) | |||
年度 | 平均価格(万円) | 平均床面積(坪) | 平均坪単価(万円) |
2017 | 2,813 | 38.8 | 72.4 |
2016 | 2,784 | 37.8 | 73.6 |
2015 | 2,836 | 37.3 | 76.0 |
2014 | 2,630 | 39.3 | 66.9 |
2013 | 2,530 | 35.8 | 70.7 |
2012 | 2,500 | 38.3 | 65.3 |
2011 | 2,440 | 39.1 | 62.3 |
2010 | 2,425 | 38.8 | 62.5 |
ヤマダ電機に吸収されてから、坪単価は安くなってきているのかな。
エス・バイ・エルのブランド名がなくなったからな。パナソニックのような製造とは違うけど、家電量販の強みを活かして巻き返しだろうね。
ハウスメーカー8社の8年間の平均単価上昇額比較
主要ハウスメーカーの平均単価・坪単価ともに、すべて上昇していることが分かりました。
以下にまとめてみます。
2010年-2017年(8年間で上昇した額) | ||
ハウスメーカー | 平均単価上昇 | 平均坪単価上昇 |
三井ホーム | 660万円 | 14.0万円 |
住友林業 | 711万円 | 21.5万円 |
積水ハウス | 636万円 | 15.8万円 |
ヘーベルハウス | 224万円 | 13.4万円 |
大和ハウス | 697万円 | 16.7万円 |
セキスイハイム | 127万円 | 6.0万円 |
ミサワホーム | 234万円 | 7.8万円 |
ヤマダホーム | 389万円 | 9.9万円 |
平均をとると、13.1万円も上昇しています。
1年間で1.6万円以上坪単価が上昇している計算です。
ハウスメーカーによって、上昇率は違うので一概にはいえませんが、下がっているところはないのが現状です。
【例】40坪の住宅を検討すると
仮に、40坪の住宅を検討していた場合、1年間建築を遅らせると、64万円の単価上昇リスクがあるといえます。
特に、省エネ化に舵を切り切れていないハウスメーカーは、これから資材の価格(性能アップ分)が上乗せされる可能性があります。
主要ハウスメーカーの2017年度の平均単価は、約3500万円。
この価格に、消費税をかけるとすると以下のようになります。
- 8%の消費税は、280万円
- 10%の消費税は、350万円
その差、70万円。
1年後に、住宅を購入すると70万円の消費税増税と、1年遅らせることでの建築単価上昇リスク64万円を被ることになるかもしれません。
合計134万円。
消費税と単価上昇リスクを含めると、かなり大きな金額になるんだね。
さらに、お金を借りるなら、住宅ローン金利も上乗せされるからな。
必ずではありませんが、リスクとして見ておく必要はあると思います。
増税後は増税前より坪単価(注文住宅価格)が下がる!?
消費税があがると、みんな買わなくなりそうだから、ハウスメーカーも値段を下げてくるんじゃないかな?
そういうことも考えられるよね。
実際に5%から8%に増税した直後の価格を見てみるとしよう。
では、消費税が上がると、「ハウスメーカーも値段を下げるのではないか?」という疑問もありますので、5%から8%になった2014年4月と2015年の平均単価を見てみます。
すると、価格が下がったハウスメーカーはヘーベルハウスくらいで、ほとんどが上昇しています。
消費税増税した年「2014年と2015年」の平均単価比較
ハウスメーカー | 2014年 | 2015年 | up/down |
三井ホーム | 3820万円 | 3954万円 | up |
住友林業 | 3580万円 | 3770万円 | up |
積水ハウス | 3566万円 | 3700万円 | up |
ヘーベルハウス | 3091万円 | 3074万円 | down |
大和ハウス | 3270万円 | 3370万円 | up |
セキスイハイム | 3030万円 | 3030万円 | – |
ミサワホーム | 2677万円 | 2712万円 | up |
ヤマダホーム | 2630万円 | 2836万円 | up |
増税後であっても、単価が下がることがないというのが本当のところでしょう。
まとめ
国は、駆け込みや冷え込みを緩和させるために、いろいろな手段を講じてきていますが、住宅の価格上昇という面では、省エネ化という前提があるので、中々下がることは難しいように思います。
先にも話したように、性能がアップすることで、電気代がかかりにくくなるなどの面もありますが、どこまでの性能を追い求めるのかで、費用の違いも現れてくるのでしょう。
増税後の優遇政策についてのニュースが出たら、こちらでも紹介していきますので、ブックマークしておいてください。
参考記事
住宅性能(断熱性能:Q値)でどのくらいの光熱費の違いが出るのか?を記事にしています。
ハウスメーカーの断熱性能Q値によるカタログ記載冷暖房費は、よく見せるための偏った数字じゃないのか問題?自宅の電気代と比較してみたら意外な結果に
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【追記】
新しい住宅ポイント制度が正式に19年度予算に盛り込まれるようになります。
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