ハウスメーカーが採用している「窓」は、どのくらいの性能を持ち合わせているのか?
気になったことはありませんか?
家に使われる「断熱材はどんなものなのか?」は、気になる人は多くいると思いますが、こと窓に関しては結構無頓着な場合がほとんどです。
その理由は、ハウスメーカー側が積極的に窓をアピールしていないからかもしれません。
しかし、省エネな住宅、快適な住宅にとって窓の選択は、とても重要なポイントとなっています。
サッシメーカーも、ハウスメーカーが窓を仕入れてくれなければ元も子もありません。
つまり、いくら高性能な窓を作っても、売れなければ作らないのです。
どうりで、右へならえな窓になっているわけです。
今回は、サッシメーカーの上位モデルと、ハウスメーカーが採用している窓を分かりやすいように、性能別で紹介していきます。
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サッシメーカー商品別窓の断熱性能
日本で窓を提供している大手4メーカーの窓を紹介します。
- LIXIL(リクシル(TOSTEM))
- 三協立山(三協アルミ)
- YKK AP
- エクセルシャノン
LIXIL(TOSTEM)リクシルの窓
LIXIL(リクシル)は、日本で最高断熱を誇る「レガリス:熱貫流率0.55」を製造販売しています。
住宅設備メーカーであるリクシルが提供する窓ブランドは、TOSTEM(トステム)の商品です。
商品名 | 熱貫流率 | サッシ枠 | ガラス | 中間層 |
レガリス | 0.55 | 樹脂 | 5枚 | アルゴンガス |
エルスターX | 0.79 | 樹脂 | 3枚 | クリプトンガス |
エルスターX | 0.91 | 樹脂 | 3枚 | アルゴンガス |
サーモスX | 1.03 | アルミ樹脂 | 3枚 | クリプトンガス |
エルスターS | 1.30 | 樹脂 | 2枚 | アルゴンガス |
サーモスⅡ‐H | 2.33 | アルミ樹脂 | 2枚 | ドライエアー |
サーモスL | 2.33/3.49 | アルミ樹脂 | 2枚 | ドライエアー |
※サーモスLの2.33はLow-Eガラス仕様。3.49は一般ガラス仕様。
三協立山の窓
三協立山の事業の一つに、三協アルミがあり、そこで窓の商品開発等を行っています。
私たちの身近なアルミ製品の多くに三協アルミがあります。
商品名 | 熱貫流率 | サッシ枠 | ガラス | 中間層 |
トリプルスマージュ | 0.85 | 樹脂 | 3枚 | クリプトンガス |
スマージュ | 1.40 | 樹脂 | 2枚 | アルゴンガス |
アルジオ | 1.82 | アルミ樹脂 | 2枚 | アルゴンガス |
MADio J | 2.33/3.49 | アルミ樹脂 | 2枚 | ドライエアー |
MADio M | 2.33/3.49 | アルミ樹脂 | 2枚 | ドライエアー |
※MADioJ,Mの2.33はLow-Eガラス仕様。3.49は一般ガラス仕様。
YKK APの窓
商品名 | 熱貫流率 | サッシ枠 | ガラス | 中間層 |
APW 430+ | 0.78 | 樹脂 | 3枚 | クリプトンガス |
APW 430+ | 0.84 | 樹脂 | 3枚 | アルゴンガス |
真空トリプルガラス | 0.99 | 樹脂 | 3枚 | 真空+アルゴンガス |
APW 330 | 1.31/1.37 | 樹脂 | 2枚 | アルゴンガス |
※APW330の1.31は樹脂スペーサー仕様。1.37はアルミスペーサー仕様。
エクセルシャノンの窓
エクセルシャノンは、樹脂サッシのパイオニア的メーカーで、樹脂サッシ専業です。
商品名 | 熱貫流率 | サッシ枠 | ガラス | 中間層 |
シャノンUF-H | 0.73 | 樹脂 | 3枚 | クリプトンガス |
シャノンUF-L | 0.87 | 樹脂 | 3枚 | クリプトンガス |
トリプルシャノンIIx | 0.8 | 樹脂 | 3枚 | クリプトンガス |
トリプルシャノンIIx | 0.94 | 樹脂 | 3枚 | アルゴンガス |
※一条工務店に窓の技術を提供したことでも知られています。海外発の樹脂専業ブランドです。
樹脂サッシ断熱性ランキング【商品別】
【更新!】このランキングは、2019年2月の公式ホームページからの情報だよ。
ランク | 会社名 | 商品名 | 熱貫流率 U値 | ガラス | 中空層 | スペーサー |
1 | LIXIL | レガリス | 0.55 | 5枚ガラス | アルゴンガス | 樹脂SP |
2 | エクセルシャノン | シャノンウィンドウUF | 0.73 | トリプル | クリプトンガス | |
3 | YKK AP | APW 430+ | 0.78 | トリプル | クリプトンガス | |
4 | LIXIL | エルスターX | 0.79 | トリプル | クリプトンガス | |
5 | エクセルシャノン | トリプルシャノンIIx | 0.80 | トリプル | クリプトンガス | |
6 | 一条(ハウスメーカー) | オリジナルサッシ | 0.8※ | トリプル | クリプトンガス | |
7 | YKK AP | APW 430+ | 0.84 | トリプル | アルゴンガス | |
8 | 三協 | トリプルスマージュ | 0.85 | トリプル | クリプトンガス | |
9 | LIXIL | エルスターX | 0.91 | トリプル | アルゴンガス | |
10 | YKK AP | 真空トリプルガラス | 0.99 | トリプル | 真空+アルゴンガス |
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世界の窓基準値と日本の窓の位置
世界の窓を見てみると、日本の断熱基準が低いことが分かります。
日本の窓基準値
しかし、各サッシメーカーの出している窓の性能は、はるかに日本の最高等級を超えており何かの茶番のようになっているのが現状です。
つまり、★4つあるからと言って安心できないので、数値で見るようにすることが大事です。
知らなければ、「★4つの最高等級です」って言われたら信じちゃうよね。
日本の樹脂サッシ普及率
この状況を見ていくと、アルミサッシは住宅用には普及せず、樹脂製もしくは木製のサッシが今後増えていくことが分かります。
ネットゼロエネルギー住宅(ZEH)は、今現在でこそ、「アルミ樹脂サッシ複層ガラス」で基準を超えることができていますが、それ以上の基準になるころには、「樹脂サッシトリプルガラス」が主流になるでしょう。
【追記】
2019年現在、樹脂サッシのシェアが約20%まで上がってきています。
2012年ごろの7%から、急激に増えてきています。
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ハウスメーカーが採用する窓(サッシ)
いろんな性能の窓があることが分かったけど、ハウスメーカーはどの程度のサッシを採用しているかを見ていくよ。
では、ハウスメーカーはどの程度の性能を備えた窓を採用しているのか?
ハウスメーカー別に見ていきましょう。
※あいうえお順に掲載(記事作成時点での各公式ホームページに記載のある情報となります)
ハウスメーカー名 | 熱貫流率 | サッシ枠 | ガラス | 中間層 |
アイフルホーム | 0.79 | 樹脂 | 3枚 | クリプトンガス |
一条工務店 | 0.80 | 樹脂 | 3枚(4枚) | クリプトンガス |
ウィザースホーム | 2.15 | アルミ樹脂 | 2枚 | アルゴンガス |
クレバリーホーム | 2.15 | アルミ樹脂 | 2枚 | アルゴンガス |
スウェーデンハウス | 木製 | 3枚 | ドライエアー | |
住友不動産 | アルミ樹脂 | 2枚 | アルゴンガス | |
住友林業 | アルミ樹脂 | 2枚 | アルゴンガス | |
セキスイハイム | アルミ樹脂 | 2枚 | ||
積水ハウス | アルミ樹脂 | 2枚 | ||
ダイワハウス | アルミ樹脂 | 2枚 | ||
トヨタホーム | アルミ樹脂 | 2枚 | 空気/アルゴンガス | |
パナホーム | アルミ樹脂 | 2枚 | ||
桧家住宅 | アルミ樹脂 | 2枚 | ドライエアー | |
へーベルハウス | アルミ樹脂 | 2枚 | アルゴンガス | |
ミサワホーム | アルミ樹脂 | 2枚 | アルゴンガス | |
三井ホーム | アルミ樹脂 | 2枚 | アルゴンガス | |
ヤマダホーム | アルミ樹脂 | 2枚 | ドライエアー |
※表中の空欄は、公式ホームページに記載がないことを意味します。
※アイフルホームはセシボ極の仕様で、LIXILのエルスターXを採用。
ハウスメーカーによっては、中間層に入れるガスを建築エリアによって分けているところがあります。また、商品により仕様が異なる場合があります。
ペアガラス以上のガラスの空間に入る素材でも、断熱性能が左右されるんだね。
素材 | 熱伝導率 | 断熱性能 |
空気 | 0.024 | 低い |
アルゴンガス | 0.016 | ⇅ |
クリプトンガス | 0.009 | 高い |
そう、これ以外にも、ガラスの厚み、空間の幅、スペーサーや、遮熱性能のあるLow-Eガラスなんかも関係してくるんだよ。
ハウスメーカーが採用している窓の多くが、「アルミ樹脂複合サッシペアガラス」という状況です。
これを窓の熱貫流率に置き換えると、2.33~1.6前後に収まります。
ハウスメーカーの公式ホームページには、どこのサッシメーカーを採用しているか?は一部を除き記載されていませんでした。
同じ、アルミ樹脂複合サッシペアガラスでも、熱貫流率に幅があるのは・・・
- ガラスの厚み
- 中間層の幅
- ガスor空気
- 樹脂アルミの使用量
- Low-Eガラスの仕様
- スペーサーの種類
などによって変わるからです。
まとめ
今回は、サッシメーカーが提供している窓の断熱性能と、ハウスメーカーの採用している窓の仕様、そして日本と世界の窓の事情を紹介してきました。
窓は、住宅の断熱性能を向上させるためにとても重要な役割を果たす存在ですが、そのほかにも多くの役割が存在することを知ると、窓選びにも幅が出てくるのではないかと思います。
- 紫外線対策
- 騒音対策
- 防犯対策
住宅メーカーが、どこのサッシメーカーとお付き合いするのかにより、卸の値段も変わってきます。
より良いサッシを選択すれば、金額も上がるようになるでしょう。
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